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ハマるマッチングサービスは何が違うのか

2022.03.14
中島嘉一

以前、出会いサイトを猛勉強したことがある(あくまで仕事)。男女のニーズは極めてシンプルなので、アプリもシンプル。アルゴリズムもUXも大差ないので、結局は登録人数の多さや業者の少なさといったところが使い勝手の決め手になる(ようだ)。

これに対して、ビジネス系のマッチングはかなり複雑だ。「コンサルティング」と言っても業務内容も料金も幅が広い。同じ業務内容を謳っていても、仕事のクオリティには大きな差があるし、クオリティと料金が見合っているかどうかも分からない。マッチング精度の差も大きくなる。

マッチングプラットフォームはいわゆる手数料商売。登録料、紹介料、成約料などをサービスを提供する側が負担する仕組みで、我々も提供する側としていくつかのプラットフォームに登録して料金を支払っている。その中で感心するレベルのマッチングサービスを提供するW社がある。他社と何が違うのか。

出会い系と同じく、ビジネス系も自動化機械化が可能な業態ではある。しかし、W社はそれに甘んじない。まず我々にきちんとヒアリングをしてくれる。何が得意でどんな実績がありキャパはどの程度か。そして時折連絡があって、情報をアップデートしてくれる。だから、その時に応じて私たちのニーズに合致した案件を紹介してくれるのだ。我々のように1か月単位で状況が変わる会社にはありがたい。

同様に、クライアント側にもじっくりヒアリングしてくれている。W社は課題をじっくり紐解き、クライアントのニーズをクリアに私たちに教えてくれる。だから、最初のオリエンの時からストレスが少ない。当然、私たちが不得意な分野の仕事はこない。お互いの時間を節約できる。なんと手数料の払い甲斐があることか。W社は双方の幸せを本気で追求していると感じる。マッチングサービスの本懐、ここにあり。

メタバース時代になると、マッチングサービスはどうなるか。文化庁が気合を入れて展開しているメタバースを覗いてみた。

バーチャルメタバース 日本博へようこそ

https://japanculturalexpo.bunka.go.jp/vp/

コロナ関連で開店休業状態だった文化庁の予算消化事業だろうと思っていたが、これがなかなかの出来だ。国立劇場の舞台裏に入ったのは初体験だし、過去の公演が見れるのも良い。

いまや文化庁はメタバース始めとするデジタルコンテンツの活用に一番積極的な官庁だろう。背景には著作権保護に早急な対応しなければならないという事情がある。著作権は文化の礎。が、やり過ぎると自由闊達な表現が制限され、舵取りが難しい。

だがこの日本博のメタバース、いまのところ誰もいない。ひとりでだだっ広いパビリオンを巡るのは非常にさみしい。だからこそのフロンティアなのだが、中の人目線では今が仕込みどきだぞ!とついついエールを送りたくなるのである。

マッチングサービスの例に倣って、出展者側のニーズと来場者側のニーズをきちんと抑えて、両者を幸せにさせてほしい。

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