COSPA technologies

コスパ的、ブランディング大全2

2023.03.09
高畑龍一

前ジャーナルで我々の考えるブランディングについて、BtoB企業が取り組む理由や広告宣伝との違いという観点から記した。

https://cospa-tech.com/journal/928/

今回はその続き、具体的なブランディングのためのステップを紹介したい。

■ブランディングのための6つのステップ

1.軸を決める
「自分たちはなぜこの仕事を生業としてるのだろう?」と自問自答し、根源的な動機と目指す世界に想いをはせる。しかし、これは簡単なようで非常に難しく時間もかかる作業。ソクラテスが「汝自身を知れ」と言ってから2500年経った今も変わらない。他者の視点を取り入れるほうが効率的かつより真実に近いものになる。

2.コンテンツを企画する
軸を延々と考え続けるのも面白いが、終わらなくなる恐れがあるので、ある程度固まったらコンテンツ制作に着手する。特に何にフォーカスして伝えるかを考える。創業時の話か、会社の歴史か、技術開発か。どうすれば企業の軸が伝わるかを考えることで、軸も固まってくる。

3.クリエイティブを開発する
コンテンツが見えてきたら、それを表現する方法を考える。まずはビジュアルとコピーを考えるのだが、ここは第三者を入れた方がいい。第三者を交えたブレストを繰り返すことで、新たな視点や意外な表現方法が生まれることが多いからだ。

4.社内の意識を統一する
これぞというクリエイティブできたら、まずはそれを社内で共有する。これにより社員も「なるほど、我々はこのような会社だったのか」「だからこんな判断があったのだな」など腑に落ちる。ブランディングというと社外への見せ方というイメージが強いが、社内での効果も絶大だ。そして社内の意識が統一されると社外へのメッセージも一枚岩になる。

5.ブランドメッセージを発信する
ここで初めて広告宣伝となる。すなわち、ウェブサイト、会社案内、パンフ、動画などでメッセージを表現するのだ。そして社内外で社長が繰り返し言葉で発信する。会議の場でも必ず話すし、初めての商談でも必ず話す。そうして心をひとつにする。とにかく言い続ける。

6・社内に定着させる、行動基準として消化する。
以上を経て、日々の会話などで社員の口からブランドメッセージが出てきたり、日常の判断の基準にブランドメッセージが使われ始めたら、社内に定着してきたサインだ。


ブランディングは「売上に貢献する」という意味でのマーケティングとは全く別のものだ。オリジナリティのある発信をしたからといって売上が伸びるわけではない。ただ、接する人全ての心に残りやすいというだけである。

しかし、この「心に残りやすい」はジワジワ効いてくる。ビジネスも人間関係も、全ては心を動かしてこそナンボである。心を動かすキーは、行動の根源的な動機と目指している世界…つまりブランディングに他ならない。

私たちは、ブランディングこそが日本企業が世界に羽ばたく唯一無二の方法だと思っている。自身をさらけ出していただきたい。

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