イスラエルから戦禍を逃れて緊急帰国する知人が出るとは思わなかった。しかも韓国の軍用機に乗せてもらったという。日韓関係が正常化しつつあって本当に良かった。
エルサレムのコインランドリー
https://cospa-tech.com/journal/1437/
一方、我が母校ではとんでもない事件が起きていた。
米名門大の学生、反ユダヤ主義的脅迫で逮捕 全校休講に
https://www.afpbb.com/articles/-/3489575
アイビーリーグの大学はどこでもユダヤ人が多い。アメリカのユダヤ人は人口の2%くらいだが、アイビーリーグの学生では25〜30%がユダヤ人だと言われている。12月になると大学生協ではクリスマスカードとハヌカカード(ヘブライ語で「燭台」を意味するメノーラが描かれたカード)が半々で並ぶ。日本人の目には欧州系に見える人でも、アメリカ人に聞くと「彼はユダヤ人だよ」という場合も多いので、この季節には “Happy Christmas!” とは気軽に言えない。”Happy Holidays!” と言い合うのが普通だ。
そんなところで反ユダヤ主義を叫ぶというのは尋常ではない。案の定、容疑者の母が「彼はひどいうつ病なのだ」と普通の精神状態ではないと語っている。しかし、そういう人の叫びを真に受けて全校休講という事態になるのは今日的な問題。反イスラエルを正気で唱える人々も増えているのだ。
昨今の中東情勢を目にして思い出したのが、以前先輩から聞いた話。彼は外資系金融機関を渡り歩いた猛者だが、ある時、小料理屋で「中国人は猛烈に働くので驚いたが、まあ、しょせんは自分の金のため。ユダヤ人とは次元が違う」と言い始めた。「前の職場の上司は、年収数億円の人だけど質素に暮らしていて、稼ぎの半分を毎年イスラエルに寄付しているという。しかも、周りにはそういうユダヤ人が大勢いるらしい」。やはり金の話かと思っていると「その上司は『イスラエルの周りにはアラブ人が何人いると思っているんだ。しかも子沢山だ。イスラエルには武器がいくらあっても足りない。だからオレたちはしこたま稼いで寄付するんだ』と言うわけだ。これは負けたと思ったね」と先回りして説明した。
信念に基づく行動は変わらない。しかも終わりがない。だから憎しみの連鎖は止まらない。そして憎しみの起源を特定することは困難だ。ユダヤ人の気持ちもアラブ人の気持ちも理解できない私たちには中東情勢について語る資格はないのではないか。日頃は政府の策に対して批判的だが、今回の日本のどっちつかずの対応は正しいと思っている。