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邪道中国語入門1

2021.01.21
高畑龍一

「中国語にトライしたけど半年でギブアップした」という相談をよく受ける。中国語と言えば「発音が大変」というのが定説で、日本語にはない音が多いのでたしかに最初は大変だ。発音できない音は聞き取りもできない。スピーキングとリスニングというのはスポーツに似ていて、水泳選手がバスケットボールをやってもすぐにはうまく動けないのと同じ。それ用に筋肉や神経を訓練しないといけない。

だから、先生が発する音を最初は区別できないのも普通だ。間違いを指摘されても何が正しいのかも分からない。当然、独学は無理。特に中国語の場合は、多くの人が最初にこの壁にぶつかって放棄してしまう。ところが、日本人には特権がある。「漢字が分かる」ということだ。

かつてのインテリ日本人は中国語を読み書きしていた。万葉集の時代までは、詩は当て字の漢字で記し、その詩の説明文は中国語そのもので記していたくらいだ。しかも、今日では、各種調査によると、日中の漢字2字語の中で同形語は6割、うち同形同義語の率は9割とされている。つまり、中国語の文章の約半分はそのまま意味が分かるのだ。

この特権を使い、最初に「読める」ようにしてしまうのが中国語習得の近道。これで一気に中国語との距離が縮まる。

特に日常用語で言えば、中国語の単語の過半が日本由来の単語。特に社会経済系の単語が多いことは、日本のビジネスパーソンにとって最大のメリットだ。抽象表現が直感的に分かることは学習スピード向上に直結する。

1)明治時代に日本人が欧米の単語を漢字化し、それを当時の中国からの留学生が持ち帰ったもの;
社会、文化、政治、経済、哲学、銀行、工業、服務、組織、政治、方針、政策、解決、理論、科学、商業、健康、資本、主義、法律、文学、美術、抽象……

2)最近の流行語が伝播したもの;
可愛(カワイイの意味)、超人気(意味は日本語と同じ)、宅男(オタクの意味)、萌(萌えの意味)……

3)「造語力を持つ接尾語」も日本由来;
〜化、〜式、〜力、〜性、〜的、〜率、〜法、〜作用、〜問題、〜主義、〜階級……

タイ語やロシア語でこのような単語を覚えようとしたら大変だ。それに引き換え、中国語だと「これも同じなんだ」と見ているだけでOK。日本人にとって、これほど敷居が低い言語はない。

しかし、普通の中国語レッスンは、中国の教育部(日本の旧文部省に相当)が定めた「対外漢語」(外国人向け漢語教育)に準拠している。日本人だけではなく、欧米人など世界の人を対象にしているから、入門編では漢字を使うのは無理。「マーマーマーマー」や「ニイハオ」などの発音から入るから、日本人にとっては実は敷居が高いのだ。

そこで、独自に開発した日本人向け中国語学習法をチラ見せしていく。日本人生徒を有する中国の中国語教師からも「これは日本人には一番いい。でも、『対外漢語』じゃないから邪道」と絶賛されたメソッドである。

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