この春から私は二拠点生活。プライベートのベースは大阪、ビジネスのベースは東京だ。どうなるかと思ったが、これが割と調子が良い。仕事はPCひとつあればできるのだが、そうは言っても行政手続や資料や書籍の保管などのためにやはり拠点は必要なので、これまで同様に高田馬場を東京のベースとしており、対面が必要な打ち合わせもここで行なっている。大阪にいる時はシェアオフィスを使うので問題ない。自宅では家族と過ごせるし、両親との距離も近くなり、ライフワークバランスが向上したことを実感している。
意外な副作用はフットワークが軽くなったことだ。元々私たちはフルリモートなので全国をカバーしていたが、とは言っても時々クライアントを往訪して顔を合わせ仲間として同じ時間を共有したい。以前は「四国」と聞くと「遠い」と思っていたが、いまでは「近い」と感じる。西日本だけではなく、日本全体を狭く感じるようになった。常に持ち歩いているお仕事セットさえあれば、すぐにどこへでも行ける気がする。春のワクワク感、アフターコロナの軽やかさもあって毎日が楽しくなった。
そもそもなぜ多くの人は1拠点で過ごしているのか。二拠点生活の話を聞いても人ごとだと思っているからか。この背景には日本古来の稲作文化があるのかもしれない。「毎日同じ」という安心感が好きなのだろう。しかし、毎日は新しい一日。前日とはガラっと違っても良いはずだ。私自身、これまで知らず知らず自分に制約を課していたのだろう。
「自分で自分に制約を課す」のは他の場面でも多々ある。
小学生のかばんはなぜランドセルなのか。
大学を卒業したらなぜ就職するのか。
家を買う時はなぜ住宅ローンを組むのか。
誕生日はなぜめでたいのか。
人が死ぬとなぜ悲しいのか。
面倒な人という勿れ。「なぜ自分は常識に囚われているのだろうか」「別の見方はできないか」と考えることでワクワクするし、思考が自由になる。そして、そこにはビジネスのヒントがある。実際に、軽量ランドセルが生まれたり、フリーランスという新しい働き方が広がったりしている。二拠点生活は「なぜ」に気づく機会も倍増させてくれそうだ。
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中島嘉一
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