COSPA technologies

ガチなものは高価であって然るべき

2023.03.20
中島嘉一

言わずもがな、我がオフィス高田馬場は日本における中国文化圏。私のランチメニューもガチ中華が定番だ。お気に入りの店もガチ中華として良くマスコミに登場するが、店内は中国語が飛び交い、小炒肉と水煮肉片など中華大好き日本でもあまり目にすることのないメニューが並ぶ。店内は独特の雰囲気があり、一見さんはまず足を踏み入れられない。とはいえわざわざ中国に出掛けなくてもこの味が堪能できるのであれば、人によっては聖地化するのもうなずける話である。

ところでこのガチ中華、実はランチとしては値段が高い。中心価格帯は1000円オーバー。街の中華屋のランチメニュー(日本ローカライズ店)が800円くらいだと考えると2割増しくらいの印象。もちろん現地で食べるよりずっと高い。コンテンツがガチだからといって、価格帯までガチになる訳ではなくむしろ観光地レベルになり、それは少し不服であった。

しかし、だ。ちょっと社内メンバーに言われて考え直してみた。ニューヨークでもロンドンでもこの類の中華は高い。大衆に寄り添ったローカライズ店では使われない材料をわざわざ入手しなくてはならないし、店主本人も従業員も本物を知っているのだから味を誤魔化すなんてできない。我々が異国の地で日本式ラーメンを再現するのが困難なように、ガチ中華の店主は相応の苦労をしているはずだ。だから高くても然るべきなのだ。確かにそうだ。

ガチなものは高い、というのは道理である。それ相応の苦労がありこだわりがありストーリーがある。それを享受できるのだからむしろ「なんちゃって」よりもコスパが良い。中華メシに関わらず、ガチなものを見分けそれを評価する姿勢を貫きたいと改めて思う。

RELATED

MORE

latest

MORE