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ブランディング

パラダイムチェンジ時代のブランディング

世界史の転換期である。コロナ禍、中国の台頭、ウクライナ情勢、資本主義の歪み、環境問題、AIや仮想世界の実用化、生命科学の発展、宇宙への進出…..フレームワークが変わりつつある。いよいよパラダイムチェンジ入りかという雰囲気が漂っている。

だから、国家は立場を再考し鮮明にする必要に迫られている。どちら側につくにせよ、どちらつかずで行くにせよ、何を大事にしていて、どういう未来を目指していくのかをはっきりさせないと、どこからも相手にされなくなるからだ。

これは国家だけの話ではない。個人も企業も同様だ。

企業の場合、「ブランディング」として語られることが多い。たしかに似ているが、いま求められているのはもう少し深いレベルだ。パラダイムチェンジに際しては「私たちはこうである」「私たちはこういうことを目指している」という一人称の視点が重要。ここに企業の本質が現れる。

■ 本質は非合理的

そこで私たちは企業の本質をこのように定義している。

 企業の本質=その企業に特有で合理的には説明できない動機

「お金を儲ける」は全ての企業に当てはまるのでNG。「ニーズがあるから」は「ニーズに応えれば売上があがるから」と合理的に説明できるのでNG。同じく「高品質を追求」も「なんでもやります」もNG。他人から「なんでそんなことをしているのか?」と訝られるレベルで、「儲かろうが儲かるまいがやる」「やらざるを得ない」のが本質だ。

例えば、バイクの某チューナー。海外にもファンが多いカリスマだが、仕事とは関係ないボロボロの旧車を買ってきて、休日にレストアしていたことがあった。しばらくして再び訪ねると、驚くほどのスピードで完成しており、「絶好調だよ」と子供のような笑みを見せてくれた。

例えば、某歯科医。ご自宅の玄関で精巧な船の模型が客人を出迎える。奥様が「まったく呆れます。患者さんの歯を削ったりするだけでは飽き足らず、夜に書斎に籠もってこれを作っているんですよ」と教えてくれた。ベニア板を切るところから、ゼロベースで作り上げるのだそうだ。

いずれも、メカいじりや細かい手作業が大好きで、ひたすら自分の理想を追求。本職でも顧客や患者の期待を上回る仕事ぶりで、予約を取るのが大変だった。

■ メッセージ化が必要

彼らのこだわりを聞いた人の間では「あの人はすごい」という話が広がり、ファンが増えていく。しかし、その広がりは限定的。彼らは理由を持ち合わせていないからだ。「面白いから面白い」というトートロジーでしか語れない(これぞ本質である)。

そこで、広げるためには本質を言語化する必要がある。「大事なことが抜けてしまう」というリスクがある言語化はしないに越したことはないのだが、他人に伝えたいならば言語化するのが手取り早い。これを私たちは「メッセージ化」と呼んでいる。自らは自覚していないこだわりを他人が理解しやすい言葉に定着させる作業なので、「メッセージ化」は少々手間がかかる仕事となる。

メッセージ化する利点は他にもある。伝え方を考えやすくなるのだ。例えば、ウェブサイトの制作。「うまく説明できないけどカッコよくしてくれ」では理解されにくい。ビジュアルやコンテンツ、使用するメディアなどを考える際にメッセージが指針となって話を進めやすくなる。

本質をメッセージ化して、メッセージに合った方法で情報を発信すれば、企業の立ち位置が分かりやすくなる。「すごい」と思ってくれたり共感してくれるファンが増えていく。企業もファンも幸せになっていく。

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