先日、長い時間をかけて考え抜いてきたコンセプト設計を、クライアントに出す直前にひっくり返された。「やっぱりこれは本質的ではない」という声が出たのはクライアントからではなく、社内からである。社長としては「勘弁してくれ」の極みだ。スケジュールは一体どうなるのだと案じたが、クライアントに進行遅延とその理由を素直に話したところ、「コスパさんらしい。スケジュールは大丈夫だから大いにやってくれ」と大笑いされた。最近よく言われる「いい子症候群」の若者も扱いにくそうだが、我が社のメンバーの扱いにくさも特筆ものだ。
今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/08110556/?all=1
最近は「扱いにくい人材」と自称する猛者が多く応募してくるが、面接で突っ込むと「私なぞ大して扱いにくい人材ではありませんでした」と、白旗を上げる。当社の「扱いにくい人材」はタダの偏屈ではないのだ。粘着質なこだわりを正しい方向にアウトプットできる人材、そして多くの場合、自分が「扱いにくい人材」であるという自覚はない人だ。単に「自分はマジメである」「自分は普通である」と思っている。
扱いにくい人材はウェルカム
https://cospa-tech.com/journal/102/
これは、考え抜くという作業を、息をすることと同じレベルでできるからこその感覚だろう。「なぜ息をしているのですか」とか「どうやって歩いでいるのですか?」と聞かれてもすぐには分からないのと同様に、ごく自然に考え抜いているのである。だから、たまたま見かけた光景もヒントになるし、風呂場で突然アイデアが閃くこともある。しかも、考え抜いた末のことなので、的外れすることは少ない。
ということで、ますます「扱いにくい人材」はウェルカムです。