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最終決戦にストレスはいらない

2023.08.01
中村 洋希

「ツール・ド・フランス」が一週間前に終了した。すっかりロス状態である。今年は「史上最も山の多い戦い」で山岳地方のバトルには手に汗を握った。激アツなドラマが繰り広げられ毎日が楽しすぎた。

ツール・ド・フランスはご存知の通り、フランス的バカンスの幕開けを知らせる世界最大規模の自転車ロードレース。21日かけてフランス全土(時には国境も超える、今年のスタートはスペインバスク地方だ)の全長約3400km、高低差2000m以上を自転車で駆け巡る、まさに山を越え谷を超え、の大レースだ。
私が初めてこのツール・ド・フランスを見たのは前職の時。システム開発の仕事をしながら何となくテレビを付けていて、まずフランスの夏の景色の美しさに目を奪われた。そして各所で突然繰り広げられるドラマに魅了された。まさに21日間のロードムービー。システム開発の仕事は長丁場なので、この時期の仕事の伴走者は決まってツール・ド・フランス。1年に一度、初夏の私の楽しみだ。
その前職を7年前に辞め、そこからリモートワーカーになったが、ツール・ド・フランスを観戦しながらの仕事風景は相変わらず続いている。前職を辞めた理由は体調不良。電車などの公共交通機関に乗れなくなってしまったから。その時からリモートワーカーとして中島社長と一緒に仕事をしている。思えば私、自他共に認めるコスパ・テクノロジーズ一の最古参メンバーだ。
7年前当時、電車に乗れないなんて誰よりも自分がショックを受けた。人生の落伍者と自分を責めたこともある。が、そこから7年経ちコロナでリモートワークが働き方の1つとして認知され市民権を得たし、何より自分は開発メンバーとして随分頼りにされている自負はある。ワークライフバランスは割と良い。人にありがとうと言われる機会もまあまあ。通勤というストレスを排除した今、それなりの人生を送っている。
ただ1つ、誤算だったのは自分の健康管理だ。7年前から自分がじわじわ太り始めていくことを強く自覚し慌てた。通勤には「程よい運動」という側面があることを痛感した。そこで私の方策は…そう、自転車の導入だ。私は今、自宅でツール・ド・フランスを観戦しながら、自分の愛車を漕ぎながら、そして仕事をしている。
私の愛車「Giant TCR Advanced 2」は最上級モデルと同じテクノロジーを持つ「コスパが良い」とされるモデルでビギナーからプロまで満足感の高いモデルだ。これを室内のサイクルトレーナーに設置し、部屋の中で漕げるようにしている。この自転車に乗り外で漕ごうとするとそれなりの準備や荷物が必要だし、まとまった時間も必要になる。何より灼熱地獄で下手したら熱中症。それよりは家の中でちょっと行き詰まった時のスキマ時間に数キロ漕ぎ、気分転換と体力状況を図っている。我ながら合理的だと思う。
休日には家から自転車を出し少し遠出する。今は暑くてちょっと無理だが、小田原や大磯などの観光地にも自転車で行く。特に私のモデルは山登りに適しており、聖地とされるヤビツ峠はもちろん大山や湘南平なども行く。ロードバイクはアスファルト舗装した道用のタイヤなのだが、私は一般の道路を走るのが好きではない。どうしても車に注意を払うし、車の運転手の立場になれば自転車なんて邪魔だ。ノンストレスなライドは山道に限る。
同様に「ノンストレス」な走りというものを私は自転車以外にも追求したい。私には電車通勤というのがストレスの塊だったが、それを取り除いたら仕事はノンストレス、快適になった。
同様に、私がWEBサイトのシステム開発で目指すものも「ノンストレス」だ。コードを書いていても、ストレスとなっている余分な部分を見つけて削ぎ落し、すっきりシンプルなプログラムに出来た時の爽快感がたまらない。本当に必要なものだけで構成されたコードを美しいと思う。そこに至るまでの道のりは厳しいが、難解なクイズやパズル同様解き甲斐はバツグン。ノンストレスは悩み苦しんだ先にある。

今回のツール・ド・フランス覇者はヨナス・ヴィンゲゴー。2021年総合2位、2022年総合優勝&山岳賞、区間通算2勝の強者は、今年も山岳での際立った強さを見せつけた。2位のタディ・ポガチャルを突き放したのは、最大勾配24度のロズ峠。このピークを越えると最後は勾配18%の滑走路であり、この滑走路で勝負が決まった。もがき、苦しみ、やり抜いた先のこのノンストレスなフェーズ。仏国内の5つの山岳部を越えるハードな戦いの終止符に相応しい、勝利の凱旋道だった。

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