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居心地がいい中国

2020.11.18
高畑龍一

ニューヨーク市から北に4時間ほどいった場所にイサカという街がある。大学街で留学生も多いから、そこそこ国際的なところだ。ここに2年間住んでいた頃にハマったのが、周辺の小さな町を探索することだった。

映画に出てくるようなのどかな光景。これも映画に出てくるような古びたダイナー。中に入ると恰幅がいいおばさんが「えっ」と驚いてこちらを見る。「ハーイ」と挨拶するとホッとした顔して話し始めるのだが、最初の驚いた顔が面白くて、週末ごとに小さな町巡りを楽しんだ。

アメリカの田舎には外国人も有色人種もそうそう来ない。だから異邦人気分を存分に味わえる。

それに引き換え、中国の人にはあまり驚かれない。

上海から南に4時間いったところに象山という街がある。浙江省寧波市の一部だが、海沿いの観光地でもあり、そこそこの規模の工業地帯でもある。そこに仕事で行った帰りのこと。お客さんにご馳走を振る舞われてすっかり遅くなり、夜の9時くらいに高速の入り口を目指して山道を走っていたら、いきなり警察官が何人か飛び出してきた。

こちらは日本人3人。ニセ検問やニセ料金所もあると聞くし、本物の警察官だとしても何をされるか分からない。緊張しながら車を停めると、「免許証を見せろ」と言う。おとなしく免許証とパスポートを出すと、ジロジロと眺めて「日本人か」と聞く。「そうだ」と言うと、「行け」とぶっきらぼうに言う。おいおい、こんなところでこんな時間に外国人だけで動いていて変じゃないのかと思いつつ、すぐにその場を立ち去った。

イサカ周辺のアメリカ人の反応と象山の中国人の反応は、自分が欧米人だったら逆だったはずだ。アメリカの田舎でも違和感ないし、中国の田舎だとかなり浮く。日本人だからこそ、少なくとも見た目的には、中国にはすんなりと溶け込める。この武器をどう生かすかが考えどころだ。

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