COSPA technologies

正解はみんなで出すもの。

2023.02.06
山口尚子

子どもは親に似る。嫌な所に限って似る。最近、わが娘を見ながらそう感じるようになった。

うちの子は、間違えることが嫌いだ。幼稚園や習い事で、手を挙げて回答しても、答えが正解ではないと分かった途端とびきり落ち込む。ちびまる子ちゃんがショックを受けた時に顔全体にガーン線が入るように表情を曇らせ、肩を落としてうつむき、口びるを噛み締めて涙をこらえ、最終的には泣く。

子どもには「積極的で挑戦を恐れない子に育って欲しい」とずっと願ってきた私にとって、これは誤算だった。家庭ではできる限り褒める教育を続けてきた。何かできたときは親子で抱きあう位に大げさに褒めてきた。ただこれが裏目に出て、間違えることへのガッカリ感を高めてしまったのかもしれない。

親の自分を振り返ってみれば、変に完璧主義な所がある。加えて、自己肯定感がとびきり低い。10代・20代の頃は、ひたすら自分の嫌いな所を反省文のように毎晩日記やブログにしたためるカビが生えそうな性格だった。そんな私の子だ。気をつけているつもりでも、完璧主義や根暗が伝染したのだろう。

とはいえ娘はまだ5歳。いくらでも変わるチャンスはある。失敗を恐れず、自分の考えをしっかり人前で語ることができ、多様性を受け入れ、自ら視野を広げていける子に育っていって欲しい。娘には「間違えてもいいんだよ、ちゃんと考えて発言することが大事。」と、今後も伝え続けていく。

そして、何より、私自身も変わる努力が必要だ。歳をとると腰が重くなりがちだが、「失敗を恐れず、積極的に人と関わり、新しいことにチャレンジしていく姿勢」を子どもに見せていくことこそが、一番の教育なのだろう。

2022年の終わり、コスパに参加した。数年ぶりに「チームで仕事する楽しさ」を教えてもらった。打合せでゲラゲラと笑うことが増えた。コロナ禍の3年間、一匹狼のフリーランスとして働いてきた私にとっては新鮮だった。「お客様 対 私」という場面の連続で、いつも心のどこかで遠慮して相手の顔色を伺いながら発言していた自分がいた。

コスパには、いい意味でちょっと癖の強い変な人が多いから、気を遣わずに話せる。そして、三人寄ればと言われるように、チームで仕事をすると思わぬ知恵が生まれることが多々ある。ディスカッションの相手としてコスパのメンバーは申し分ないので、クライアントの方々にも是非活用してほしい。

コスパでのチームプレーは、私の中に眠る社交性を引き出し、自分だけで正解を出そうと意固地にならないこと、他人に任せる柔軟さを育ててくれた。3日間悩んで一人で出した正解が、3分の雑談で不正解に思えてくることもある。「こういう思考の転換が、人を成長させてくれるのだ」と実感する瞬間だ。

この一年、コスパで楽しく働きながら、私自身が多角的な物の見方や柔軟性を高めていきたい。そして娘に、ディスカッションの楽しさや、思考の広がる喜びを伝えられる親になりたい。

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