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メッセージ至上主義!

2020.11.11
高畑龍一

地味だったオリンピック開会式に対して作曲家の三枝成彰氏が「元文科相や政府首脳らのお歴々が、歴史、哲学、芸術などのリベラルアーツを知らないからこうなるのだ」と批判していたが、まったく同感。

日本人の「知性低下」を露呈した東京五輪…政治家も官僚も私利私欲に走る
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/292330

ウェブサイトも然り。「当社を選ぶ3つの理由」などというコピーを見ても心が動かないのは、そこにオリンピック関係者と同じ売上至上主義の匂いが漂うからだ。

「売る気満々」はいまは疎まれさえする。

コロナによって一気に露呈したさまざまな問題。すでに大きく変わりつつある世界。この中でまだ「たくさん売りたい」のか、それでSDGsと言われもねえ…陳腐なセールストークを見せられる側はこのように感じる。

この「感じる」という部分が恐いところ。理屈としては良さが分かったとしても、「なんかアウトな感じ」という印象だけが残るのだ。

だから、持続可能性とは何か、共生とは何か、詰まるところは、幸せとは、公正とは、正義とは…経営者の考えを表明した方がいい。迷いでもいい。問いでもいい。まだ誰も正解は知らないのだから、精緻な事業計画などはなくてもいい。

各界のさまざまなレベルの人が新しい時代を作ろうと知恵を出し合っている中に加わり、共感する人を増やしていくことが新しい時代に向けたマーケティングだ。

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