ドイツのホームページのデザインと日本のホームページのデザインの違い
ホームページのデザインはどこの国でも一緒のように見えて実は微妙に違います。
言語の違いはもちろんありますが、お国柄やサービスに対する意識の違いでデザインも微妙に異なっているのです。
この記事ではそんなドイツのホームページのデザインと日本のホームページのデザインの違いを紹介します。
ニュースの表示
例えば日本の銀行のホームページとドイツの銀行のホームページを見比べてみましょう。
日本の銀行の場合は「コールセンターの電話が繋がりにくい件について」や「システムメンテナンスのお知らせ」など会社に関するお知らせや、問い合わせが多そうな事についてトピックスとして表示されています。
ドイツの銀行のホームページにはこのような表示はありません。たまに何かのキャンペーンがある時に広告のような形で表示される事があるくらいです。
また、日本のように細かい内容でいちいち知らせてくることはありませんが、ニューストピックスが無い変わりに特に重要な情報などはメールなどで送られてきます。
ニュースの表示が無いということはつまりあまり更新はしないということです。
ドイツでは夏になるとバケーションを1ヶ月くらい取ってバカンスに出かける人が多く、会社の重要なポジションにいる人も例外ではありません。
ホームページの管理をしている人がバケーションで1ヶ月休んでいる時でも違和感が無いように、普段から更新頻度を抑えているというわけです。
イメージキャラクターの有無
日本では会社のイメージキャラクターに有名人を起用する事が多く、ホームページにもその有名人が大きく載っていたりしています。
他にもゆるキャラなど独自のアニメキャラクターなどを作っている場合もあります。
ドイツのホームページでも人は登場しますが、彼らは有名人ではありません。
日本で言うとファッション雑誌に載っているモデルさんのような立場の人達で、決して有名俳優や、テレビの人気者ではありません。
また、アニメキャラを作っているところも、子供向けの企業以外はほとんど見られません。
この背景には日本はテレビの力があまりにも強大だというところにひとつ原因があります。
日本以外の普通の先進国ではテレビのチャンネルは数十チャンネルあり、これに加えてインターネット配信の番組などもあります。
日本みたいに5~6コの大きなテレビ局が中心にあって他はそのネット局という構造ではありません。
最近は日本でもだんだん崩れてきてはいますが、日本のようにチャンネルが少ないとどうなるかと言うと1局あたりの視聴率が上がり、テレビにちょっと出るだけで有名人になれるのです。
つまり日本では「誰でも知っている有名人」が生まれやすいことに対して、ドイツでは広く浅く色々な人がメディアに出ているので誰でも知っている有名人は出にくいです。
そうすると広告戦略として有名人を起用するということはドイツではやりにくくなります。
一方で日本はイメージキャラクターを有名人にすることで安心感を与えられたり、実際に成果をあげたり出来ています。
これは日本固有の文化でみんながやってることをやりたがるという国民性があり、有名人がやってるのだからという理由で商品が売れたりします。
一方ドイツは多民族国家で色々な人がいて当たり前という風土があり、日本ほどテレビの中のスターに憧れは無く、みんなが知っているスターを起用するのはあまり意味が無いのです。
電話番号をわかりにくくする
日本ではどこの会社もコールセンターが整備されていて電話番号がはっきり表示されいますが、ドイツではあまり電話番号は表示されません。
代わりにメールアドレスがあり、なるべくリアルタイムで対応することを避ける傾向があります。
これはドイツではバケーションを長く取る人が多く、人数が安定しないのでなるべくリアルタイムの対応を避けて、メールで順番に出来る限り対応しようとしているのです。
日本ではこのような企業にはクレームが殺到しそうですが、ドイツでは自分もバケーションで仕事を休むのだからしかたないというお互い様だという雰囲気があります。
まとめ
ドイツと日本のホームページのデザインの違いを紹介しましたが、そこには働き方の意識の違いや、国民性の違いなどが絡んでいたのです。
日本はサービスは充実しているものの仕事がキツイことに対して、ドイツはサービスはいい加減だが仕事もゆるいということになります。
このような文化の違いがホームページのデザインにも反映されているのでした。