TikTok運営のバイトダンスって何者?!
TikTokが米中関係の焦点になっています。トランプ大統領は、TikTokに米国市場からの撤退、または米国事業の売却を求めました。そして9月15日を期限として、マイクロソフトが買収交渉に入った、と伝えられました。
この件は、私のように中国イノベーションを目の当たりしてきた人間にとって、信じられない思いです。
それはTikTokの運営会社バイトダンスが、2012年3月設立の、まだたった8年の若い企業だからです。TikTokを始めたのは2016年9月で4年も経っていません。創業者でグローバルCEOの張一鳴氏は1983年生まれ、37歳の若さです。Facebookのマーク・ザッカーバーグ(1984年生まれ)とほぼ同じですね。そんな若い中国企業が、アメリカ大統領から名指しされる存在になった、その事実に感心してしまうのです。
バイトダンスの創業事業はニュースサイト「今日頭条」でした。これは今でも、中国で1位2位を争うニュースサイトとして成功しています。その後エンタメへ進出します。
TikTokの中国版「抖音」を2019年9月に始めました。2017年11月、社運をかけて先行のMusical.lyを10億ドルで買収します。そしてMusical.lyを抖音(海外名TikTok)へ統合していきます。
もともと15秒リップシンク(口パク)のミュージックビデオを投稿、シェアというアイデアは、Musical.lyが2014年に始めたものです。渡辺直美さんなんかは、このMusical.ly時代から、さかんに利用していましたね。
このMusical.lyをアメリカ企業とみなす報道もありましたが、創業者は中国人です。上海とサンフランシスコに拠点をおき、初めから海外展開を進めていました。この買収ではずみをつけたバイトダンスは2018年以降急成長し、従業員はあっという間に全世界で6万人にもなったのです。
TikTokのグローバル本社がロンドンへ移るかも、という報道もありました。中国国内と海外をはっきり分けるつもりのようです。アメリカ事業の今後は9月15日までに、決着しそうです。とにかくそれらの動きを見極めたいと思います。