メキシコ向けホームページデザイン
近年日本とメキシコの経済的な結びつきは非常に強くなってきています。
日系企業はカンボジアに次いでメキシコに進出しており(2017年、前年比率)、今後もメキシコ進出は増える見通しです。
しかし、日本的なホームページがメキシコ人に受け入れられるとは限りません。
メキシコ人は家族ファースト
メキシコ人にとって家族以上に大切なモノは存在しません。
「家族」はメキシコ人のアイデンティティーの根幹をなしていると言っても過言ではなく、家族同士の結びつきの強さは日本人の家族観とは明らかに異なります。
マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのメキシコ公式ホームページでも顕著です。
ファーストビューにファミリーセットやキッズセットを掲載。家族全員で楽しめるメニューを前面に押し出しています。
少子高齢化、核家族化の進む日本では、期間限定商品やデザートといった1人用のセットや単品メニューがメインとなっているのとは大違いです。
メキシコ人の「粋」は原色系
メキシコ人が好む色が赤、青、黄などの原色系というのは想像できると思います。
しかし、メキシコ最大手のスーパーマーケット、コメルシアルメヒカーナのホームページにオレンジが使われているのは興味深い点です。
オレンジは、コメルシアルメヒカーナの企業カラーでもあるのですが、この色はメキシコ人にとって「死」を表します。
不吉な感じがしますが、ここからが日本と感覚が違うところです。
メキシコ人にとって「死」は悲しみを表現するだけではなく、「新たな旅立ち」や「再開」といった意味もあるのです。
つまり、家族をとても大切にするメキシコ人にとって、オレンジ色は「愛」や「つながり」を表現する、とても親しみやすい色でもあるということなのです。
メキシコのHPは画像で勝負
ホームページの開いたときの最初の画面、ファーストビューには大事な役割があります。
スターバックスのホームページを例に日本とメキシコのファーストビューの比較してみます。まず日本のホームページはコロナウイルス感染防止情報や新商品情報など視聴者が知りたい情報が分かりやすく整理されています。
ファーストビューに文字情報を多く掲載することで、ページ読者が知りたい情報にいち早くアクセスできるよう工夫されているわけです。
それに対してメキシコのホームページでは、企業カラーのグリーンを背景に、おすすめ商品を画面一面に掲載しており、文字情報はほとんどありません。
スターバックス・メキシコは、ファーストビューで視覚的なインパクトを与えることで、サイトからの離脱を防ぐことを狙っていると考えられます。
カッコいい、メキシコのHP
日本とメキシコの習慣や国民性、社会的背景の違いが最も色濃く反映されているのがホームページの構成です。
日産自動車のホームページを比較してみます。
日本の公式ホームページでは「安全性」と「環境」、メキシコでは「デザイン性」と「性能」をメインテーマとしています。
安全(命)や環境(自然)といった理性的な側面で日本人にアプローチしているのに対して、デザイン性(カッコ良さ)と性能(速さ)という感覚的な側面でメキシコ人にアプローチしているのです。