「中国ECサイトのお祭り”双11″とは?! 影響力はどれぐらいあるの」
中国で、11月11日は「独身の日」シングルデーとし、この日から1週間は、インターネットでの大セールが行われます!1の連続した日付けが独身者を連想させ、独身者同士のパーティやプレゼント交換が行われる記念日となりました。
11が連続するので「双11」(シァンシーイー)と呼ばれ、この日は、中国ECサイト最大のセールイベントの日です!
目次
「独身の日」から「買い物の日」に!
そもそもは、中国で11月11日は「光棍節」でした。「節」とは祝日です。
「光棍」は独身者を意味し、独り者を連想させる1が4つ並んだことに見立てて、11月11日は独身者の為の記念日になったといわれています。始めの頃は、彼女、彼氏がいない人達が集まって合コンも開催され、若者だけが祝う日となっていました・・・が!
そこにアリババグループがネットセールを仕掛け「シングルの皆さん、この日は買い物を楽しみましょう!」と呼びかけバーゲンセールを開始!その後は、大々的なイベントキャンペーンや急激なネットショッピングの普及により、わずか数年間の間に11月11日は「バーゲンの日」となりました。
正に、チャイナ祭祀です!(中国語で、中国お祭りの意味)
前日の、10日前夜祭から派手なカウントダウンイベントが始まり、日付けが
変わると同時に、この日の為の目玉商品が売り出されます。皆がパソコンの前にへばり付いて、日本製品や服飾雑貨を買いあさる様です。割引率は3割~5割ですが野球球団の優勝セールみたいな盛大な、盛り上がりを見せています。
この数年間で、当初の独身の日からいつの間にかネットセールに塗り替わった
のは「資本主義的な祝日への興奮」と言えるでしょうか!現在では、ネット上にとどまらずスーパーやデパートでもバーゲンセールが行われているようです。
“双11”売上げと影響力は?
独身の日キャンペーンは、2009年以来、天猫、京東、蘇寧などの大手ECモールが大々的に実施していますが、やはりアリババの天猫が圧倒的な取引額を達成しています。16年当日、アリババの最初の1時間の売上げは約5540億円で、昨年の1時間売上記録を破る勢いでスタート!結果として、総売上げは2兆円突破となる驚異的な流通総額を記録しました。昨年の総売上げが約1兆7000億円ですから正に破壊的な威力すら感じられますね!「双11」は造られたイベントですが、2009年の開始当時はネットショッピングのユーザーも1億人前後であった為、参加店舗は27店のみでした。その後、シングルデーの一人歩きから爆買いにつながり、ここ7年間での参加販売店は4万店を超える規模になりました。次いで2011年には、1か月後の12月12日の「双12」も仕掛け、新たなイベントを実施しています。
「双11」がグローバル的なイベントに!
販売店の増加に伴い、現在では約3万以上のブランド、700万種以上の商品が販売されるグローバルなイベントとなり日本、アメリカ、欧州、韓国など25か国からの有名ブランドも含まれ、200か国の消費者をカバーしています。同日の越境ECは「全球狂歓節」と名付けられ国際的なイベントにもなったと言えます!「双11」の特売イベントは減速気味の国内消費の促進だけでなく外国企業との貿易も刺激すると指摘されています!また、国内での国家政策に応じて農村市場のネットショッピング需要も喚起され15年には初めて「双11」に参入し約8000以上の村が「農村淘宝」のサービスステーションに参加し、農村エリアでのECネットワークへの構築に取り組みながら所得増加を目指しています。
「双11」に環境団体が抗議?
国民的なバーゲンセールに対し、環境保護団体グリーンピースは独身の日に
ついて「地球にとって破滅的な日だ」と表記しています!それは11月11日の大規模オンラインセールによって発生した大量の包装類による環境への長期的影響を懸念しているとのことです。宅配業者や運送会社が「独身の日」に扱う荷物の量は、推計で10億点以上になり、この注文品を運送する為には段ボール箱や、包装テープ、発泡材、プラスチック包装等が必要です。中国ではセール後の、こうした包装類の大半がゴミ箱行きとなります。グリーンピースの推定ではリサイクルや再利用できる包装類は約20%であり他の大半がリサイクルできない巨大なゴミとなり地球環境が犠牲になると指摘しています。
「双11」の影響力は経済的には「驚異」でも、悪い面では「脅威」にも
なりえますね!