日本の高齢社会はオワコン?!中国の高齢者から学べ!
中国ドラマといえば、女が男にビンタをくらわせるワンパターンの極みでした。そこへ進入したのは韓国ドラマです。パターンは同じですが、中国ドラマにはない豊かな色彩感が受け、既婚女性たちの大きな支持を獲得しました。
そんな中国で昨年、「都挺好」という国産ドラマが大ヒットします。タイトルはAll is well、everything OK、すべて順調、何も問題ないといった意味で、日常会話でも頻出します。しかし「都挺好」は、タイトルとは逆に、実は順調でない問題だらけの家庭を“等身大”に描いたことによって、大好評を得ました。
一家の中心だった母親の死後、父親と三兄妹の繰り広げる騒動を描いています。63歳の父親のわがままを中心に、子供たちやその連れ合いたちとの、激しい攻防が見どころです。中国では2022年に65歳以上の人口が14%に達し、本格的な高齢化社会に入ります。誰にとっても他人事ではないところが、視聴者の心を捉えたのでしょう。
中国の高齢者は、これまで大切に扱われてきました。会食の席では主賓に座り、一族の秩序と繁栄の象徴のような存在でした。しかし、そのおっとりした長老イメージは変わりつつあります。
中国の定年は男性60歳、女性の一般職は50歳です。しかし定年延長の話は出ては消えるの繰り返しです。なぜなら早く引退して自由を謳歌したい人が多いからです。とくに61歳以上の男性たちは精気に満ちています。目的を失ってしょげている人はいません。
インフルエンサーになって活躍している人も大勢います。例えばTikTokの中国国内版・抖音では、「末那大叔」という高齢者の投稿が1428万のファンを獲得、1.3億のいいね、をもらっています。「VK不省心大爺」という2人組で活動している高齢者たちは、388万のファン、3949万のいいね、を獲得しています。いずれも品のよい、とてもおしゃれでアクティブな高齢者たちです。新しい中国高齢者のイメージリーダーでしょうね。
「都挺好」の父親や、人気インフルエンサー高齢者の登場など、中国の高齢化社会は、活性化する一方のように見えます。
日本もすてたものではありません。90歳の森浜子さんが、ゲーム系の最高齢ユーチューバーとしてギネスに認定されました。また最高齢プログラマーとして、ティム・クックCEOにハグされた若宮正子さん(84歳)もいらっしゃいます。今後日本でも高齢者インフルエンサーが増えてくると面白い世界になりそうです。