中国のBtoBプラットフォーム100強⑥自動車業界、省心宝汽車、車通雲、行圓汽車、巴図魯
今回は自動車業界である。新車販売16ヶ月連続前年割れの続く中、どのようなB2Bサイトが有り、どのような活動をしているのだろうか。省心宝汽車、車通雲、行圓汽車、巴図魯の4つを選んで分析していこう。
省心宝汽車
省心宝汽車は、重慶省心宝科技有限公司が開発したBto Bプラットフォームである。2014年10月に初版をアップロードした。省心宝汽車は、自動車販売店のためのBtoB+O2Oのスマート取引きモデルという。伝統的販売モデルと科学技術イノベーションを融合させ、*4S店とその営業マンへ有効なソリューションを提供する。
公式サイトは、省心宝汽車App、車大神SaaS管理系統、本地汽車網、の大きく3つに分かれている。省心宝汽車Appは、売買の必携アプリで、毎日45万の情報が更新される。車大神は、スマート販売店管理のさまざまなノウハウを集成している。本地汽車網は、2億1000万の個人、5000の販売業者、500の提携メディアからなる、情報発信ならびに交流サイトである。川下の自動車流通におけるリーダーを任じている。
*4S店=Sale (販売)Sparepart(部品) Service (サービス)Survey(調査)の4つSを提供する自動車販売(店)会社。
http://www.sxbcar.com/
車通雲
車通雲は、2014年設立の鼎奥(上海)網絡科技有限公司が、2015年にスタートさせた、自動車部品B2Bプラットフォームである。整備データ庫、部品データ庫、保険車両データ庫、保険部品データ庫、修理データ庫、車両ナンバーデータ庫、保険点数データ庫、同質部品データ庫、の8つのデータバンクを持っている。また部品の融通チェーンの核とするため、上海、北京、広州に実体店舗を開設した。
公式サイトは、部品購入プラットフォームを前面に押し出している。一見すると検索エンジンのようだ。登録をしないとみられない部分が多く、実用に徹した印象である。
http://www.autocloudpro.com/View/v2_index/index.html
行圓汽車
行圓汽車は、北京行圓汽車信息技術有限(2016年12月設立)の立ち上げたプラットフォームだ。北京と付いているが、本社住所は山東省・青島市である。
行圓汽車は、自動車産業へのあらゆるサービスと、商品の情報を提供している。新車、中古車、自動車ローン、自動車保険、自動車整備、などである。融資、情報発信、市場対応の3大事業部が、自動車業界最良の情報プラットフォーム目指して、注力している。
公式サイトは、メーカーと車種を検索できるようになっている。車種を選ぶと、販売会社、価格、メディアに出た関連情報も得られる。直接売買ではなく売買を促進する情報サイトである。
http://www.qichedaquan.com/
巴図魯
巴図魯は2013年、広州で設立された。部品からアフターサービスまで垂直に統合した、独自のB2Bプラットフォームである。特に整備、修理などアフター市場のサービス標準化、スマート化を使命としている。
公式サイトには、管理効率を上げ、全面的に業績を向上させよう、とある。また整備工場など提携パートナーを募集している。付加価値サービスとして、部品の直売、人材育成、整備工場のための情報サービス、を挙げている。
https://www.baturu.cn/
まとめ
中国の自動車メーカーとディーラーの関係は、日本のようにガチガチの関係ではなく、流動性は強いようだ。整備・修理業界の組織化もまだこれからだ。そのため、これら焦点の当て方の異なる、さまざまなBtoBプラットフォームが、有効に機能している。まだまだ市場開拓の余地はありそうだが、これからはサービスの質の争いになるのだろう。