2020年2月のWeChat公式アカウント(微信公衆号)500強分析、新型肺炎の情報発信で大盛況に
3月上旬、国民的SNS、WeChatの公式アカウント500強(2月版)が発表された。WeChatは、もはや単なるSNSではなく、世界でも例をみないスーパーアプリだ。その公式アカウントは情報の宝庫であり、世の動きそのものである。注目度の高いこのランキングは、2014年9月以来、5年以上続いている。分析してみよう。
新型肺炎で利用増加
新型肺炎の影響を受け、2月のデータには変化が見られる。「宅経済」が一般化し、平均閲読数と時間は、それぞれ30%、42%伸びた。民生や行政など、新型肺炎の情報伝達に関わるものが多く、統計の対象となった27万4718編のうち、少なくとも55%は、新型肺炎に触れていた。また、映像を含む投稿は全体の21%に上った。
500強の発信は合計3万2000回、1アカウント当たり64.9回、投稿記事数は12万5000篇、1アカウント当たり249.3本だった。閲覧数は41億5000万、1篇あたり平均4万4000回だった。
ランキングは“新榜指数”に拠る。これは、総閲覧数、最高閲覧、平均閲覧数、頭条(トップ)閲覧数、いいね数などの指標を指数化したものだ。トップ10は
1位 杭州交通918 2位 新聞夜航 3位 中国経済網
4位 広東公共DV現場 5位 央視財経 6位 新晩報
7位 黒竜江交通広播 8位 江蘇交通広播網 9位 丁香医生 10位 FM93交通の声
と交通系が多い。
部門別のトップ
500強の分布は、民生139、文化59、体育・娯楽57、教育40、経済38、ここまでで全体の3分の2を占める。部門別トップと全体順位は、
民生部門 杭州交通918 1位
経済部門 中国経済網 3位
科学技術 果売 31位
創業部門 36kr 89位
不動産 中国楽清網 596位
職業部門 Police CN110CN 328位
教育部門 中国教育報 30位
学術部門 武漢大学 138位
文化部門 洞見 11位
百科部門 軍武次位面 45位
健康部門 丁香医生 9位
ファッション InsDaily 35位
美食部門 BTV暖暖的味道 216位
娯楽生活 英国那些事儿 26位
旅行部門 環球旅行 298位
ユーモア 冷兔 198位
情感部門 夜听 38位
55%が防疫関連
先述のように、調査対象アカウントの55%が新型肺炎に言及している。それらは大まかに5分類できる。
防疫行動指針型…各地方政府の衛生健康委員会など“権威機構”による公衆衛生指針など。
政府通告型…時事問題の取組みや重要施策の発信。
データ速報型…防疫データ、日々の感染者数、疑似病例数など。
オンラインサービス型…居住地周辺の情報、マスクの予約販売など、小回りサービス。
戦疫一線…病院関係者の奮闘日記など、最前線の日常を発信。
キーワードは、疫情、防控、確診が最も多く、冠状病毒(コロナウイルス)、病例、口罩(マスク)、感染、新増、武漢、指揮部、捐贈(寄付)、暫停、公告、通告、隔離、通報、注意、抗撃、阻撃戦などが続いた。
まとめ
2月のWeChat公式アカウントは活況を呈し、閲覧本数、時間、新アカウント、全て増加した。新型肺炎の発信を行ったのは55%に達し、感染症史に残るデータベースになったと言えるかもしれない。とにかくWeChatは、防疫体制下、その存在感と影響力を見せつけ、依然として、中国ネット界の中心であることをアピールした。