中国の文化娯楽プラットフォーム、伝播影響力ランキング1位はBilibili(ビリビリ動画)
共産主義青年団の機関紙「中国青年報」は、「中青華雲(共青団系ビッグデーター分析)」と連合で、2020年4月文化娯楽類創業企業伝播影響力トップ20プラットフォームを発表した。創業企業に絞っているのは、青年に起業を促す意図も含んでいるようだ。官製メディアは、昨今の若者文化をどう評価しているのだろうか。
「青創指数」を算出
新型肺炎の防疫体制下、宅経済(巣ごもり消費)が進み、ネット視聴、ライブ、ゲーム等のトラフィックは大幅に増加した。同時に文化娯楽産業も大きな注目を集めた。中国青年報は、収集したビッグデータ+AI分析により、ネット空間中にの伝播力、影響力、等の客観データを定量化し、創業者、投資家、ビジネス界の評判を加味し、創業企業の発展状況と影響力を評価した。さらに一歩進め、ネット上の事件や、サービスの影響力まで踏み込み“青創指数”を算出、ランキングした。
青創指数=ニュースメディア影響力指数+WeChat影響力指数+微博影響力指数+メディア報道数+メディア言及数。以下トップ10を見て行こう
1~5位
1位 Bilibili(ビリビリ動画) 1,580.5(青創指数)
2位 抖音短視頻(海外名TikTok) 1,503.3
3位 西瓜視頻 1,408.6
4位 蜻蜒FM 1,335.4
5位 非人哉 1,190.0
Bilibili=2009年設立。若者向け、コンテンツ創作、シェアプラットフォーム。弾幕(コメント機能)投げ銭(クリエーター応援機能)で大人気に。収益源は、ゲームとライブ配信。
抖音=バイトダンス運営の短視頻(ショートビデオ)プラットフォーム。DAU(デイリーアクティブユーザー)4億、ライブコマースに注力中。
西瓜視頻=バイトダンス運営のショートビデオプラットフォーム。人工智能によりコンテンツを自動推薦。DAU5,000万。
蜻蜒FM=2011年スタート、中国初の音声コンテンツ配信アプリ。ユーザーとコンテンツ制作者のためエコシステムを構築。ユーザー数は4億7000万。
非人哉=漫画家・一汪空気作の漫画作品。元は四コマ漫画からスタート、その後シリーズ化。
6~10位
6位 泡泡瑪特 1,175.2
7位 猫眼娯楽 1,067.7
8位 喜馬垃雅FM 1,042.6
9位 触手直播 1,036.9
10位 時代峰峻 1,012.5
泡泡瑪特(POP MART)=2010年設立、トレンド商品の販売、ブランド育成、アーティストの発掘、養成などポップカルチャーで幅広く活動。
猫眼娯楽=前身は2012年スタートの「美団電影」。オンラインチケット販売。2017年「微影時代」と戦略提携、その後に合同し、テンセント系となる。2019年、香港市場へ上場。
喜馬垃雅FM=蜻蜒FMと並ぶ音声コンテンツ配信アプリの雄。2012年スタート。アプリのローンチは2013年3月。iiMedia「2020中国ユニコーン企業トップ100」25位。
触手直播=2011年スタート、中国初のモバイルゲームのライブ放送プラットフォーム。現在のアプリは2015年7月ローンチ。ゲーム観衆9,000万以上。
時代峰峻=2009年8月設立、文芸演出、芸人養成、企業のイメージ政策等を行う“一体型専業文化機構”。日韓を参考にしたアイドルモデルもあり、芸能プロダクション+αの活動を行う。
まとめ
今年3~4月には、上位にさまざまな動きがあった。ソニーはBilibiliへ4億ドルの出資を表明した。蜻蜒FMは、アリババ系の高徳地図と提携し「城市文化地図」をローンチした。そして泡泡瑪特は1億ドルの調達に成功した。
影響力の強い人気プラットフォームには、自然に人も金も集まってくる。今後もエンタメ界の中心として、見逃すことはできない。