中国向けホームページ制作法⑤ -検索大幅アップ!?中国で人気の日本キャラを紹介 –
検索アップの鍵は投稿画像や動画か!?
なかなかホームページやSNSの閲覧数が増えないという悩みは中国のみならず世界でビジネスを行うインターネットユーザーの共通の悩みだと思います。閲覧数を増やすためには、まずは検索されることが第一ですが、そのためには実際に商品やサービスを体験したユーザーがSNSや口コミサイトに投稿した画像や動画が鍵を握っていそうですよ。中には“口コミ”を利用することで広告宣伝費をほとんどかけずに中国でECサイトを運営する日本企業も存在します。さっそく実例を見ていきましょう。
百度の日本キャラ検索1位はポケモン「コダック」
百度(baidu)の日本法人、バイドゥ株式会社(本社:東京)が昨年12月に発表した2016年に日本で検索されたカテゴリー別のキーワードでは、好きな日本のキャラクターでポケモンのコダックが1位になりました。バイドゥの担当者は「『ポケモンGO』の影響かと思いきや、コダックの頭を抱える姿が『困った』や『悩んでいる』という様子を想像されることからSNSで盛り上がっていた。クイズで不正解になると3日間自分のアイコンをコダックにするということも流行り、11月末から検索数が一気に伸びて1位になったのではないか」と分析しています。12月初旬にかけて日本にも中国語圏の流行が入り、Twitterのアイコンをコダックに変える人が続出しました。クイズに間違えると3日間自分のアイコンをコダックにする遊びが海外を中心に広まっていて、SNSが“コダックブーム”の引き金になったと考えられます。
くまモンきっかけに熊本人気も
中国で人気のキャラクターとして根強いのは、もう1つ熊本県のご当地キャラクター「熊本熊(くまモン)」(百度の日本キャラクター検索3位)があります。中国のSNSにはくまモンの画像や動画の投稿で溢れており、中国でのくまモンの流行もSNSがきっかけだったことが伺えます。中国国内でも1日の検索数が最高で1万回を超える日もあり「くまモン×壁紙」などと調べる部分一致を入れるとさらに5〜10倍以上となるといいます。中国の人々の熊本県への旅行者が増えていることや熊本県関連の他の施設などへの関心の高まりもくまモンの人気と無関係ではなさそうです。
文化人やアーティストが“無印”の評判高める
口コミで成功を納めているのは、コダックやくまモンだけではありません。良品計画の中国法人、無印良品上海商業は口コミを中心に中国の若者などから支持され、中国本土で200店舗を達成しました。無印良品が中国で浸透したのは、地元の文化人やアーティストなど発信力のある人の口コミなどで評判を高めていった結果、一般大衆にもファンが広がっていったのだといいます。
無印良品の中国での成功は実店舗に留まりません。自社のECサイトでも成功し、世界の在庫管理システムと連携することで、在庫がない場合でも他国から取り寄せることで迅速な受注と配送を実現しています。モバイルアプリ「MUJI passport」の中国版のダウンロードの提供も2015年から開始しており、台湾や香港などでの配信も始め、2017年2月期までに海外EC売上高を50億円まで引き上げる方針です。「MUJI passport」は2013年にリリースしたスマートフォンアプリで、全国の店舗やECサイトでのショッピング、店舗への来店時にチェックインすることで貯まる「MUJIマイル」、ほしい商品の店舗在庫を確認できる「ショッピングガイド機能」などを搭載しています。同アプリは中国国内での無印良品のファンに向け、日本と同じ買いもの体験を提供することを念頭に置いて開発。日本の小売業で中国の店舗で使用できるポイントプログラムアプリを提供するのはサービス開始当時初めての取り組みでした。
無印良品を展開する良品計画は、今年に中国で「無印良品」をテーマにしたホテルやカフェ開業も計画しています。洗面具やカーテン、寝具など客室の備品に無印良品の商品を使うほか、名前も「MUJI HOTEL」とし、現地で人気のブランドを生かし、中国人の観光需要を開拓します。中国の人々がホテルやカフェで無印の商品を体験することで、SNSなどで一層の口コミを呼びそうです。
キャラクターや商品とのリアルな交流がSNSや口コミサイトに投稿されて、人々の関心の引き金になり、百度などで検索されるきっかけになっているケースも少なくなさそうです。中国で注目を集めるためには、自らブームを引き起こすにしても、ブームに乗るにしても、“リアル”な取り組みとホームページを中心とした情報発信が欠かせないでしょう。