微博(Weibo/ウェイボー)とは?微博(Weibo/ウェイボー)のメリット・デメリットからマーケティング活用まで徹底解説
目次
つぶやきだけじゃない!動画投稿、天猫との連携も
日本のモバイルユーザーであれば、Twitter、Facebook、LINEの3大SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用しない人はいないのではないでしょうか。中国ではこれらのSNSへのアクセスが制限されているため、中国独自のSNSが発展しました。Twitter+Facebookのような存在が微博(Weibo)で、LINEのような存在が微信(WeChat)です。Twitter、Facebookと異なる点は、主な機能である“つぶやき”はもちろん動画投稿、生中継もできるほか、アリババグループの運営するBtoC(企業と消費者との取引)サイト・天猫(Tmall)とも連携しているということです。Weiboのさまざまな機能を活用して日本製品を中国の人々に売り込むことに成功しているバイヤーも多数存在します。
Twitter+Facebookのような存在
微博(Weibo)とは、微(ミニ)+博(ブログ)という意味で、Twitter+Facebookのような機能を兼ね備えます。現在の登録アカウント数は、個人アカウント数が約6億アカウント、月間のアクティブユーザー数(頻繁に利用する利用者数)が約3億アカウントとなっています。中国本土はもちろん、香港、台湾など中国人が多くいる国や地域で利用されています。約9割のユーザーはモバイル経由でWeiboにアクセスしています。主な機能は以下の通りです。
① “つぶやき”機能
文字、写真、動画、外部リンクなどを投稿でき、ユーザー間では「シェア」「コメント」「いいね」「ブックマーク」などを行うことが可能です。1日の平均投稿数は約2億件です。
② アリペイ決済が可能
アリババグループのEC(インターネット商取引)サービスであるCtoC(消費者間の取引)の淘宝(タオバオ)、天猫(Tmall)との連携により、Weibo上での支付宝(アリペイ)による決済が可能です。Tmallでの11月11日「独身の日」のキャンペーンでは、毎年多数のWeiboユーザーがキャンペーン品を購入していると考えられます。
③ 公式動画アプリ「秒拍(ミャウパイ)」
Weiboの公式動画アプリ「秒拍(ミャウパイ)」はスマートファンに対応して作られたアプリで、投稿された動画はタイムラインに流れるとともに自動再生されます。8000万人以上のユーザー数がいるといわれており、人気動画の総再生回数は数万回に上るものもあります。
Weiboでキャンペーン 約1兆7000億円売上げも
Weiboのマーケティング機能を活用し、成功する日本企業も多数現れています。日本企業の公式アカウント登録数は約700アカウントです。Weibo上では連携するTmallの公式アカウントでも11月11日に向けたキャンペーンなどが行われており、昨年24時間で約1兆7000億円を売り上げて話題になりました。ここでは、Weiboを使った主なマーケティング事例を紹介していきます。
① Tmallのキャンペーンと連携
天猫(Tmall)の公式Weiboアカウントでは、11月11日に向けた キャンペーンを実施しています。キャンペーン期間中にアプリからTmallの広告ページを開くと懸賞金が当たる投稿や有名人による動画中継もあり、Tmallでの販促に繋げています。
② 口コミを活用したPR
多くのフォロワー数を持ち、口コミの影響力があるKOL(キーオピニオンリーダー)に商品サンプルなどを配布することで、口コミによる情報拡散を狙う方法です。KOLが投稿を通じてプレゼントキャンペーンなどを行うことで、ソーシャルバイヤー(SNSを通じて商品を販売するバイヤー)や個人ユーザーの投稿も活発になり、より多くの人に商品情報が伝わる仕組みです。投稿でタオバオやTmallのショップへ誘導する事例もあります。
③ 動画やライブ中継による販促
Weiboを活用して、KOLによるライブ中継の告知やプレゼントキャンペーンを行うことで、店舗や商品の知名度を上げる方法です。ライブ中継後は、企業のWeibo公式アカウントにKOLの投稿を転送し、広告によって動画を拡散します。また、公式動画アプリ・秒拍を利用し、KOLが動画の中でさりげなく商品を登場させるなど、宣伝色を全面に出さない工夫を凝らした動画作製も効果的なPR法の一つとなっています。
④ クーポン配布し観光客を店舗へ誘導
中国の夏休みシーズンなど中国人観光客が日本を訪れると予想される時期にWeiboの日本の観光情報を発信するサービス上でクーポン券を配布し、店舗への誘導を図ります。大手百貨店での実施事例では、約30万人にクーポン情報を配信し、認知度向上やユーザーとのコミュニケーションに繋がっています。
⑤ マーケティングデータの活用
Weiboに公式アカウントを持つ企業は、契約プランによってさまざまなデータ分析が可能です。フォロワーの増減数、地域、性別、アカウント属性などを細かく分析できるほか、コンテンツ分析では反響の高いコンテンツを分析し、投稿やキャンペーン実施の方向性をマーケティングデータとして活用できます。また、アカウントでの顧客と企業の結び付きを分析できるエンゲージメント分析では、投稿種別の閲覧数や投稿でのフォロワーの「いいね」「シェア」「コメント」の数などを分析し、フォロワーへの影響力を確認でます。自社の所属する業界や競合のアカウントの動向を見ることも可能です。
購買動機は“憧れ”や“感動”に!?
「あの人みたいにきれいになりたい!」「こんなに便利な商品や面白い商品があるんだ!」中国では実店舗、インターネット通販が激しい販売競争を繰り広げ、安全・安心な商品がスタンダードになりつつある中、中国の人にとっての購買動機は、“憧れ”や“感動”に変わってきているのかも知れません。美容品やダイエット品を紹介するKOLはモデル並みのルックスの女性が多く、閲覧回数の多い珍しい日本の商品や文化を紹介する動画はユーモラスに溢れています。今後、企業は商品の販促を行う際に、誰がそれをうまくPRしてくれるのか、を考えていかなければならないでしょう。
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