中国の外卖ビジネスモデルを考察
中国では現在デリバリー事業が波に乗っており、飲食事業をされてる方にとって収益を上げる重要な手段となっています。その中で「自社でデリバリーサイトを立ち上げるか」「既存のデリバリー会社のプラットフォームを利用するか」という問題と配送員を自社で設けるか?他社に委託するかという問題が大きなポイントとされています。中国外卖ビジネスはいかにして成長を遂げたか、今回はそのビジネスモデルを追います。
目次
1. 成長し続ける中国外卖市場
中国国家統計局のデータによると、2014年中国ネットデリバリー市場の全体収入は152億元(約2500億円)2015年が457億元(約7600億円),そしてさらに2016年は980億元(約16100億円)と急激な成長を遂げています。その中で近年餓了么、美团外卖、百度外卖が中国のデリバリー利用者の心をつかみ愛用されております。
2、中国でデリバリー事業を行うにあたって中国人が大切にしていることとは?
近年中国で飲食業を営む人たちがデリバリー事業を開始するにあたってまず初めに考えることはどの外卖サイトを選ぶか?という点になります。選ぶポイントについてはサイトの抱えるユーザーと自身の商品がマッチしているのか、契約内容、配送方式、サイト独自のキャンペーン有無、支払い方式などの文章として書かれていることから包装、配送に関するサイトの方針など文章に書かれていないことまでさまざまです。
3.ターゲット層
各外卖サイトさんはサービス開始当初は学生に特化していたようです。この理由は中国人の多くの高校大学が全寮制であることから学生内での口コミにより外卖サービスの口コミを低費用かつ短期間で広く拡散できたことと、学校も人口密度の大きな市の中心にあったことから一定範囲内でのサービス運営ができたことにあったようです。しかし長期休暇中は学生が実家へ帰省するため利用の激減につながらない点、学生時代に利用していたユーザーがそのまま社会人になっても利用し続けた点から2014年よりホワイトカラー層の取り込みにも重点を置くようになりました。
4.外卖サイトの料金設定の仕組み
では料金形態についてどのようになっているのでしょうか?一般的な客単価30元(約500円)を例に説明しますと
オーナー利益 =ユーザー支払い30元-サイト利用料1.5元-配送10元= 19.5元(約320円)。
が目安となります。
価格に関してはあまりにも高すぎるとデリバリーを利用するユーザーは敬遠してしまいますし、それが原因で利用ユーザーが減れば元も子もありませんのでサイト側はオーナーさんの負担になりすぎない程度の利用料を徴収しているのが現状のようです。ちなみに配達料金の算出に関しては地域で異なりますが配達員の月平均給料6000-10000元と配送員の一人当たりの一日配達数20件前後を目安にしているようです。
5.時代に合わせて進化し続けるビジネスモデル
そのほか外卖サイトによってはサービス利用するオーナーさんから年間管理費を徴収することでオーナーさんの質を上げたり、利用ユーザーさんに対して配送費が割引されるなどのサービスを受けることのできる有料会員制度を設けるなど行い質の高いユーザーの囲い込みを行っています。今後も中国の外卖事業は時代やオーナー、ユーザーそれぞれの傾向に応じてより便利な形へと進化していくことでしょう。
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