中国向けホームページ制作法㉙~アクセス数upの鍵は口コミ!?~
王道パターンは、広告・実店舗→口コミか!?
中国向けビジネスを展開している企業にとって、自社ホームページのアクセス数アップは、ビジネス成功のための鍵を握っていると言っても過言ではないのではないでしょうか。広告をあまり信用しない中国の人々の性質を考えると、自社の商品やサービスに関する口コミが重要になってくることは言うまでもありませんが、中国で無名の企業や商品、サービスに興味を持ってもらい、口コミされるためにはいったいどのようにすればよいのでしょうね。
中国で成功しているさまざまな日本企業の例をみてみますと、いくつかの“王道パターン”が存在するようですよ。中国ネット界で絶大な影響力を誇る阿里巴巴集団(アリババグループ)・腾讯(テンセント)との連携やネット広告掲載、実店舗の活用による認知度アップの取り組みが目立ちます。さっそく実例をみていきましょう。
ネット集客は、アリババ、テンセント頼みか!?
まず、中国でインターネットによる認知度アップや集客、口コミ獲得を考えた場合、なぜアリババグループとテンセントを意識しなければならないかについて軽く触れておきたいと思います。
中国ネット界の覇権をアリババグループとテンセントが握っているといわれる背景には、両社が展開または支援しているネットサービスにあります。両社は、それぞれがネット通販、SNS、スマホ(スマートフォン)決済、小売スーパー、ネット出前サービス、シェアサイクル、配車アプリなどのネット主要サービスを提供、または連携しており、中国のネットユーザーであれば、アリババグループとテンセントのサービスを利用したことがない人はいないでしょう。両社がさまざまなネットサービスに幅を拡げるのには、ネットユーザーを自社または自社が連携するサービスで囲い込みたい狙いがあり、両社によるネット有望企業の買収攻勢が強まっています。
つまり、中国ネット界の大半はアリババグループかテンセントの息がかかっており、ネット界で無名の場合は、アリババグループかテンセントとの連携がなければよっぽどのことがない限り名乗りを挙げるのは難しいといえるのかも知れません。
口コミ数=ネットでの露出度×顧客満足度!?
例えば、アリババグループのECサイト・天猫(Tmall)の11月11日「独身の日」セールなどがきっかけで認知度アップにつながった日本企業として、アパレルブランドのユニクロやおむつメーカーのユニ・チャームがあります。
しかし、アリババグループやテンセントと連携すれば、必ずしも認知度やホームページのアクセス数アップに繋がるのかといいますと、これに関しては、ある程度の効果は期待できるが、後はネットでの口コミ次第といったところではないでしょうか。
例えば、中国で人気の日本メーカーの化粧品やベビー用品ですが、ネット通販サイトから拡がって、その性能や機能性の口コミが口コミを呼び、リピーターと新規顧客獲得の相乗作用を生み出していると考えられています。
実際に、中国のSNSでは、日本の化粧品メーカーの資生堂やユニ・チャームの製品などに関するものがあがっており、顧客の高い満足度とそれに関する口コミが商品購入や認知度アップ、ホームページへのアクセス数アップの大きなきっかけになっているといえそうです。
店舗からネットにも影響力 無印良品
次に、中国のネット界、すなわちアリババグループとテンセントに関するネットサービス以外からの認知度アップやホームページへのアクセス数アップへの道について考えたいと思います。
実店舗を中心にネットへの影響力を強めていった日本企業の実例として、良品計画が展開する生活雑貨店「無印良品」があります。良品計画の2018年2月期決算説明会資料によりますと、中国の既存店の営業収益は前期比104.6%。2018年4月の日本経済新聞記事によりますと、中国の3月の既存店は2ケタ増収だそうで、中国では消費者が安全・安心な商品を求めるようになっており、特に天然水を使った化粧品で若年層のリピーターが多いといいます。中国での「無印良品」のSNSなどネット上での評価は、「値段が高い」という声がある一方で、商品の安全性やデザイン性の評価が高く、良い品・良いブランドとして定着し「多少高くても買う」動きに発展しています。価格勝負のネット勢に対し、出店や店舗での情報発信のほか、2018年1月には「無印良品」のホテルを中国で開業しました。“リアル”で消費者との接点を増やすとともに、アプリ、SNS、ホームページも活用した実店舗とネットの融合を加速しており、どちらかというと“リアル”からネットへアプローチをしている実例といえます。
「無印良品」のように“リアル”からのファン獲得や口コミによってネットでも影響力を強めていく事例は、中国本土ではユニクロ、ニトリやインバウンドではドン・キホーテなどでもみられ、ホームページやECサイトヘの入り口がアリババグループやテンセントなど中国で影響力のあるネットサービスからのみとは限らないでしょう。
ここまで日本企業の事例をみてきていえることは、結局、中国の人々の心をつかむ“良品”をネット、リアルでいかにPRしていくか、ということではないでしょうか。中国の人々の興味・関心や口コミを得た数が、ホームページやECサイトへのアクセス数アップに繋がるとするならば、商品やサービス開発、広告掲載、店舗出店の段階からホームページ制作とより連携された取り組みが求められそうです。
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