中国で爆発的人気の日本発スマホゲームアプリ「旅かえる」
日本の会社が開発したスマホゲームアプリの「旅かえる」が、中国でなぜか爆発的に流行しています。
目次
「旅かえる」とは
「旅かえる」は、Hit-Pointが開発しリリースしたスマホ向けゲームアプリで、Android版は2017年11月24日にリリースされ、iOS版は同年12月6日にリリースされました。このゲームは日本語版のみで中国語版はリリースされていないにもかかわらず、AppStore全体でのダウンロード数は1,000万を達成し、地域別では日本が2%にも関わらず、中国のユーザーが95%を占めているといいます。
プレイヤーは、これから旅に出る“かえる”の身支度を整えてやって旅立ちを見送り、実際の時間にして数時間から数日の旅をして帰ってきます。旅から帰って来た“かえる”は旅先の名産品や、旅の思い出を納めた写真を持ち帰ってくるので、プレイヤーはそれを見ることができます。旅の途中の“かえる”にはプレイヤーは干渉できず、帰りを待つだけであり、基本的には放置ゲームです。
「旅かえる」の社会現象
中国での「旅かえる」の爆発的人気という社会現象の影響は様々です。ネット上での話題を紹介します。
さほど人気でも無い日本でも
中国に知り合いがいる人は、「旅かえる」が中国で流行ってるせいで中国人からWechatでいろいろ問い合わせが来るとのことで、先日は「ういろう」について中国語で説明してあげたといいます。(“かえる”のおみやげ)
また、“かえる”が旅してきた観光名所のマップを作ってツィッター紹介している人もいます。
消防局がPRに活用
中国消防当局が、「かえるくん、あなたの住んでいる場所は危ないよ!」と、床に可燃物をたくさん置いていると危ない、窓に泥棒除け用の柵がついているといざという時逃げられないよ!などかえるくんの家から防火の注意点を紹介して、その上で「完璧に安全なかえるくんのお部屋」を作成して紹介しています。
中国企業が便乗して無断コピー
「『旅かえる』が中国でバカ流行りしているため、中国企業が自社マーケティングとしてどんどん著作権侵害してる」として「借势旅行青蛙热点,京东、OFO、魅族、优酷、知乎你们侵权了」とJingdong、OFO、Meizu、Youkuを名指しで指摘する記事もあります。(「旅かえる」は中国では「旅行青蛙」と呼ばれています)
「旅かえる」のファンアートも続出
「”覚えとけよ、絶対に広東には行っちゃダメだぞ!やつらは何でも食べるからな!” “ケロッ” 僕も広東に住んでるんですけど。」といったアートなどのほか、デコケーキまで出現しているといいます。
人気の理由は?
これほどまでに人気を博している理由として、色々な人が色々な意見を述べています。
・「人気の秘密は、放置育成ゲームという点が第一ではなく、かえるが持ってくる日本のアイテムや、撮ってくる日本の写真が、見ていて癒されるんだと思う。なんか中国の日本を扱うおしゃれ書籍屋とかおしゃれ雑貨屋に通じるものがある」
・「操作がとても簡単で、あれこれ考える必要がないため、言葉の壁が存在しない。ほとんどの時間、プレイヤーはかえるを眺めているだけで、まったりとした時間が流れる空間を楽しめるため、癒し系で、多くの人がかわいいと絶賛している」
・「旅先の写真やお土産などたくさんのサプライズがあり、かえるが言葉を発することはなく、全てはプレイヤーの想像に委ねられる点も中国人に受けている」
・「母親の気持ちが分かった様な気がするとか。カエル(子供)が家に居る時は部屋に閉じこもりきりで早く外へ出ていけと思うが一旦出ると連絡無く中々帰らず心配。母性本能を擽るのかな」
ほかにも「旅行心を満たすから」「孤独を癒やすから」「不確定性が面白いから」「仏教系人生の縮図だから」「客観的な視点から見てるから」など様々な意見が挙がっています。
この「旅かえる」の爆発的人気を受けて、中国共産党機関紙「人民日報」自ら「旅するカエルは、実家を出た全員と同じだ」とウェイボーに投稿したといいます。もっと両親に会いに行くよう、若者に促しているのだそうで、社会主義の「核心的価値観」を奨励する機会として利用しているのだそうです。
情報参照元:
https://tsuiran.jp/pickup/20180129/20464
[newspicks url=”https://newspicks.com/news/2803951″]