中国の航空会社 機内でのスマホ使用解禁
題名を見て不思議に思うかもしれないが、日本と違い中国の航空会社は機内でのスマホ使用をこれまで一切禁止していた。しかし、2018年1月15日にそのルールが変わったのだ。
中国の航空機はスマホ禁止だった
知られている通り携帯電話の電波は電子機器や医療電気機器に影響を及ぼす場合がある。そのため航空機内や病院、電車の優先座席付近では電源をOFFにしなければならない。日本の航空法では、機内で電源OFFもしくはフライトモードに設定することが義務付けられている。
現在のスマホには通話機能やモバイルデータ通信、Wi-Fiなどのすべての無線通信をOFFにする機内モードが設定されている。日本を含め多くの航空会社は、機内モードにしていれば離陸時でも電子機器類は使える。もちろんスマホの使用も問題ない。しかし、なぜか中国系の航空会社は常にスマホ禁止となっていたのだ。
興味深いのはタブレット端末は例外として使用できることだ。タブレットでもSIMカードを挿入できるタイプがあり、モバイルデータ通信ができるのに使用可能だったのだ。パソコンやタブレットは使用できるが、スマホは一律使用禁止という多少理解に苦しむルールだったのだ。
中国の航空関係者の話によるとスマホが禁止されている理由は主に2つ。ひとつめは中国国内の移動体通信事業者がそれぞれ使用している周波数帯が異なること。もうひとつはサードパーティと呼ばれる非正規のスマホ(山寨携帯電話と呼ばれる)があり機内での安全性が保障されていないことだ。
また、乗客のマナーもバラバラであり、人によっては機内モードにしてくれるか定かでないため機内での携帯電話の使用を一律禁止していたようだ。
スマホ使用の解禁
2018年1月15日に以上のルールが変更された。現在では中国国内の多くの航空会社で機内でのスマホ使用が解禁されている。中国民航局は「机上便携式电子设备(PED)使用评估指南」(携帯型電子機器の使用に関するガイドライン)を公布し、認定を受けた電子デバイスであれば航空機内での利用を許可するガイドラインを示した。
(出典:http://www.caac.gov.cn/XXGK/XXGK/GFXWJ/201801/t20180116_48667.html)
これにより、中国の航空機内で禁止されていたスマホの使用や機内WiFiサービスが実現可能になったということだ。
機内でのスマホ使用を解禁した中国国内航空会社の例は以下の通りである。
2018年1月18日~中国東方航空、海南航空
2018年1月19日~中国南方航空、上海航空、厦門航空、重慶航空、四川航空、福州航空
2018年1月22日~山東航空
2018年2月1日~春秋航空
解禁第1号となった東方航空便での機内アナウンスは「欢迎登机」ならぬ「欢迎开机」だったそうだ。(欢迎:ようこそ、登机:搭乗、开机:スマホ起動)
(出典:http://news.longhoo.net/2018/lhyc_0119/254040.html)
機内モードのON/OFF設定
搭乗前に必ず「機内モード」の設定を済ませよう。機内モードにすると、一度すべての電波関連の設定がオフになる。機内モードに設定することによりWi-FiもBluetoothも、すべてがオフになる。
iPhoneの場合
ホーム画面から「設定」をタップ→フライトモードを「オン」にする。フライトモード中は、「音声通話およびモバイルデータ通信」「Wi-Fi」「Bluetooth」「GPS」「位置情報サービス」がオフになる。
Android端末の場合
Android端末のメニューボタン→無線とネットワーク→機内モードにチェックを入れる。もしくは、電源ボタンを長押しすると「電源を切る」と並んで「機内モード」という選択肢が出るので機内モードをタップする。スマホの機種によっては「電波OFFモード」という名称だったり、電源ボタンの長押しで表示されないこともあるため、端末の説明書を参考にしていただきたい。
設定が完了すると電波を一切受け付けなくなる。飛行機を降りて機内モードをOFFに戻すときも同様の作業を行うだけでOKだ。ちなみに、機内モード設定中に電話をかけてきた相手には話し中の音が聞こえるようになっている。端末によっては「ただいま携帯電話の電源を切る必要がある場所にいるため…」というガイダンスが流れることもあるようだ。
また、原則としてフライトモード中は電話をかけることはできないが、緊急時のために110番、119番、118番のみ発信することができる。ただし、電話終了後は元通り機内モードに戻るようになっている。
Android端末であれば、指定した時間に「機内モード」のON/OFFを設定できるアプリ「Ring Scheduler」を使えば便利だ。また、機内モードのON/OFFはアプリやウィジェットからでも簡単に設定できる。「MySettings」はシンプルかつ分かりやすいインターフェースでアプリを起動し、ワンタップで機内モードのON/OFF設定ができる。
(出典:https://andronavi.com/2012/01/150469
https://mysettings.softonic.jp/android)
携帯電話端末は電波が弱い時や圏外の時など、電波を探そうとして多くの電力を消費する。そんなとき「機内モード」をONにしておけば通信がシャットアウトされるため、無駄に電池を消費せずに済むのだ。
また、就寝中にメールを受信したくない場合にも、機内モードをONにすれば電波の通信を行わないため、メールを受信することはない。「機内モード」でもアラーム設定は使えるので、次の日の朝寝過ごす心配もないだろう。
航空機内では電子機器が使用できないというのが、中国での一般常識だったが、近年では日本などの周辺諸国に合わせてずいぶん寛容になってきている。航空機内でもスマホを使用したいという方にとっては、嬉しいお知らせではないだろうか。