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LinkedIn Sales Navigatorでキーパーソンを見つける方法|海外営業で使える検索テクニック
目次
1.海外営業における「キーパーソン特定」の重要性
なぜ意思決定者に直接アプローチすべきか
海外営業において成果を上げるためには、意思決定者への直接アプローチが不可欠です。多くの案件では、初期接触先が実務担当者にとどまり、肝心の決裁権を持つキーパーソンと接点が持てないまま、商談が停滞してしまうケースが頻発します。とくに海外では意思決定プロセスが階層的かつ非公開な場合も多く、単なる名刺交換だけでは突破口が見出しにくいのが実情です。LinkedIn Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)を活用すれば、こうした見えにくい意思決定層をリスト化し、対象ごとにアプローチの優先順位を可視化することができます。営業の質とスピードを高めるうえで、キーパーソンを起点とした戦略は極めて重要です。
キーパーソンがわからない営業で起きる機会損失
ターゲット企業にアプローチしても、キーパーソンが誰かを把握できていない場合、商談機会を逸するリスクが高まります。たとえば技術担当者や窓口のスタッフに連絡しても、上層部へ話が届かないことはよくあります。これは特に海外企業に多く見られ、文化的に部門間連携が希薄だったり、営業担当者の裁量が小さいケースでは、決裁者不在のまま時間だけが経過するのです。Sales Navigatorでは、社内の組織図や関係性の深い社員を把握できるため、適切なタイミングで正しい相手に接触でき、こうした“無駄打ち”を減らすことが可能です。
LinkedInが“人脈探索プラットフォーム”として有効な理由
LinkedInは、世界中のビジネスパーソンの職歴・所属・肩書を可視化できる唯一のSNSです。とくにSales Navigatorを使えば、通常の検索機能に加え、「役職」「勤務地」「業種」「企業規模」など細かい条件を指定してリードを絞り込むことができます。また、共通の知人(2次・3次のつながり)を起点に、自然な接点を築くことも可能です。さらに、プロフィールの更新や投稿をウォッチすることで、現在の業務関心や組織変化を把握できる点も、メールや電話では得られない大きなメリットです。人脈ベースの営業を可視化・再現性あるものにするための基盤として、LinkedInは非常に有効なツールです。
2.LinkedIn Sales Navigatorの基本機能と事実に基づく活用ポイント
通常LinkedInとの違い:高度フィルター×InMail可視化
Sales Navigator(セールスナビゲーター)は、通常のLinkedInとは異なり、営業活動を支援するための特化型機能が揃っています。なかでも最大の違いは、高度な検索フィルターとInMail(つながりなしで送れるメッセージ)の存在です。役職や業界、国・地域、企業規模などを細かく設定して対象リードを精査できるため、見込み度の高い相手に効率的にたどり着くことができます。また、InMailでは通常のメッセージよりも開封率が高く、1通1通にパーソナライズされた内容を送ることで、返信率も飛躍的に向上します。海外営業において相手の立場や興味関心を反映した提案が求められる場面で非常に有効です。
アカウントリスト・リードリストの実践的使い分け
Sales Navigatorでは、アプローチ対象を「アカウントリスト(企業単位)」と「リードリスト(個人単位)」で管理することが可能です。海外営業では、まずターゲットとなる企業群をアカウントリストで整理し、その中で商談につながる可能性の高いキーパーソン(例:CFOやHead of Procurementなど)をリードリストに追加していく運用が効果的です。これにより、どの企業にどんな人物が在籍していて、誰に接触済みかを可視化できます。また、リストに保存された対象に動き(役職変更・投稿など)があれば通知され、営業タイミングの最適化にも役立ちます。
Relationship Map/アラートでターゲット変化を即把握
Sales Navigatorの高度な機能として、Relationship Map(関係図)とアラート機能があります。Relationship Mapでは、ターゲット企業内の複数の関係者を視覚的にマッピングでき、誰が意思決定者で、誰が影響を持っているかがひと目で分かります。これは、複数人が意思決定に関与する海外営業で非常に有効です。また、特定の企業や人物に関するアラート機能を設定すれば、相手の異動・昇進・投稿などの動きがリアルタイムで把握できます。これにより、最適なタイミングで連絡を取りやすくなり、商談のチャンスを逃さずに済みます。
【事例①:Crédit Agricole Italia】CFOを特定→数日で商談成立
高度検索で数時間以内にCFOを抽出
Crédit Agricole Italiaの法人営業部門では、Sales Navigator(セールスナビゲーター)を活用して営業活動の精度を大きく高めました。ある成長企業へのアプローチを検討していた担当者は、まずSales Navigatorの検索フィルターを使って、該当企業のCFOを特定。役職・勤務地・業種などの詳細条件を用いることで、数時間以内に目的の人物をリストアップすることに成功しました。こうしたスピードと精度を兼ね備えた検索機能は、従来の営業リサーチとは一線を画すもので、最初の接触段階から「的を射たアプローチ」が可能になります。
InMail送信からビデオ商談まで「数日」で実現
CFOの特定後、担当者は相手の事業フェーズや投稿内容を参考にしながら、InMailをパーソナライズして送信しました。その内容には、現在の事業成長に応じた資金調達や財務支援に関する具体的な提案が含まれており、CFOの関心を引くことに成功。InMail送信からわずか2営業日後にビデオ会議が設定され、実際の商談がスタートしました。こうしたスピード感と精度を両立できるのは、Sales Navigatorを使って情報収集・ターゲティング・アクションが一貫して行えるからこそです。
Corporate Banking部門がSales Navigatorで営業プロセスをデジタル化
この成功事例を受け、Crédit Agricole ItaliaではCorporate Banking部門全体で本格的にSales Navigator(セールスナビゲーター)の導入を加速させました。従来は、営業担当者の経験や勘に頼る「属人的な営業手法」が中心となっており、情報共有や再現性に課題がありました。しかし今後は、より戦略的かつ再現可能な営業体制を構築するため、「データドリブンで体系化された営業モデル」への転換を目指しています。
具体的には、リードの発見から商談の進行、さらには案件のステータス管理に至るまで、すべてのプロセスをSales Navigator上で可視化。そのうえで、社内のCRM(顧客関係管理システム)とも連携させることで、各案件の履歴や進捗を一元管理できる体制を整えました。これにより、営業マネージャーはパイプライン全体のボトルネックを早期に把握でき、営業活動の質や速度を組織全体で引き上げることが可能になっています。また、若手営業担当者にとっても、成果を出している先輩のアプローチ手法をデータとして参照できるようになり、教育・育成面でも大きな効果を発揮しています。
【事例②:Globality】購買委員会を数秒で可視化し受注率UP
Relationship Map & Account IQのCRM連携
Globalityは、アメリカ・カリフォルニア州パロアルトに本社を置くAI調達プラットフォーム企業です。Sales Navigator(セールスナビゲーター)のRelationship MapとAccount IQ機能をSalesforceと連携させ、営業効率の大幅な向上に成功しました。意思決定者や購買委員会の構成が、ツールを通じてわずか数秒で可視化されるようになり、誰にアプローチすべきかを直感的に把握できます。初動のスピードが飛躍的に高まり、受注確度の高い案件を見逃すことなく捉えられるようになりました。
購買委員会の構造把握に数秒で成功
とくにエンタープライズ企業向けの営業では、意思決定が個人ではなく“委員会形式”で行われるケースが多く見られます。Globalityでは、Sales Navigatorを使って1社あたり数名のキーパーソンとインフルエンサーを即時に抽出し、それぞれの関係性を可視化した上で、段階的な接触計画を設計しています。その結果、各ステークホルダーに合わせた提案を行うことで、意思決定までのプロセスが短縮され、受注率・単価ともに向上しました。
Sales Navigatorの影響で14%大型案件・75%の案件起点に
Globalityでは、Sales Navigator(セールスナビゲーター)を導入して以降、営業成果において明確な数値的向上が見られました。具体的には、導入前と比較して受注金額が14%増加し、これまで取りこぼしていた中堅〜大手顧客との取引機会を着実に獲得できるようになっています。さらに注目すべきは、全体のパイプラインのうち実に75%が、Sales Navigatorによって起点となったリード(新規接点)から生まれているという点です。つまり、全商談の4件に3件以上がこのツールを通じて最初のコンタクトが生まれており、それだけ新規開拓の起爆剤として重要な役割を果たしていることが分かります。
また、最終的な収益ベースで見ても、全体の76%という非常に高い割合の売上が、Sales Navigator経由で始まった案件に起因していると報告されています。これらの数値は、Sales Navigatorが単なる「リード発見ツール」や「検索補助」ではなく、Globalityにおいては営業活動全体を戦略的に支える“基幹ツール”として機能していることを如実に示しています。営業チームはこのツールを通じて、購買委員会の構造把握・関係性の可視化・商談タイミングの最適化を一貫して実施しており、それが組織全体の成果へと結びついているのです。
5.海外営業で成果を出す事実ベースの検索→アプローチ4ステップ
高精度フィルター設計:役職×業界×地域
Sales Navigator(セールスナビゲーター)では、検索フィルターの設計がキーパーソン特定の成否を左右します。基本の3軸は「役職(C-levelやManager以上)」「業界(製造、IT、物流など)」「地域(国や都市)」で、これらを組み合わせることで的確な対象に絞り込めます。加えて「会社規模」「言語」「アクティビティ(投稿頻度)」なども活用すると、優先すべきリードが明確になります。たとえば投稿が活発なユーザーは返信率が高く、営業成功につながる可能性も高まります。フィルター設計の段階から精度を高めることで、営業効率と商談化率の両方を向上させることができます。
Decision Maker/CFOなどキーパーソンの抽出方法
営業対象となる決裁者(キーパーソン)を見つけるには、Sales Navigator(セールスナビゲーター)の「リード検索」機能を活用し、職位フィルターを適切に設定することが重要です。「CFO」「Director」「Vice President」「Head of ◯◯」など、意思決定に関与する役職キーワードを入力することで、社内で影響力を持つ人物を的確にリストアップできます。こうした職位情報は、通常の名刺や会社紹介では見えにくいため、デジタル上で検索できる点がSales Navigatorの大きな強みです。営業活動で成果を上げるには、「窓口の担当者」ではなく、「最終的に判断する人」にいかに早くたどり着けるかが成功の分かれ目となります。
パーソナライズInMail・関係構築アクション
キーパーソンにInMailを送る際は、ただの営業文ではなく、相手の投稿や関心、業務内容に沿ったパーソナライズが欠かせません。事前にその人物の投稿に「いいね」やコメントをしておくことで、まったくの初対面からでも自然な接点を持つことができます。InMailではその背景を踏まえた提案を行い、送信後も返信の有無に応じてフォローアップや関連情報の提供を続けることが重要です。営業は一度の接触で終わるものではなく、複数回のやり取りやタイミングの見極めが成果を左右します。Sales Navigatorは、こうした“継続的な関係構築”を仕組み化するうえでも強力なツールです。