日本旅行のついでに散髪へ。中国人旅行客の理髪思想。
日本旅行のついでに散髪へ。中国人旅行客の理髪思想。
ここ数年すっかりお馴染みになった中国人旅行客のいわゆる「爆買い」ですが、最近は以前ほどの勢いは無くなったと言われています。為替が円高に振れており以前の様なお得感が感じられない事や中国国内でも個人輸入の様な形で購入するのが普及した事が理由として考えられます。ですがそれだけではなく、リピーターとなった中国人旅行客の目的が単なる観光やショッピングから体験型の旅行に変化している事も考えられます。数年前には大量の中国人が韓国へ美容整形ツアーに押し寄せた事が話題になりましたが、日本へは何を体験しに来るのでしょうか?春の桜の花見や夏の花火大会、冬の温泉等四季にまつわるものや、ちょっと変わったところではギャンブルや風俗、また国も推奨している高度医療や人間ドックなど様々な日本ならではの体験が挙げられますが「散髪」もこれから選択肢の一つになるかも知れません。
中国の散髪事情
中国での散髪といえば90年代には露天で行う「青空散髪」を良く見かけました。たいてい年季の入った理髪師さんが格安の価格で行っていましたが、上海のような大都市ではさすがに見かける事が少なくなりました。替わりに現れたのが大手チェーン店です。上海では「永琪」「文峰」「艺流」等が有名ですが、これらのチェーン店での料金は店頭に表示されているのを見ると日本の6,7割かなと感じます。ですがほとんどの人が会員になる事を選択しており、デポジットの様にまず料金を預け入れることによりその金額の大小で割引額が変わり50%、62%OFFとなります。例えば男性が散髪する分には洗髪簡単なマッサージ込みでも500円以下で可能になります。
ただし少しねずみ講のようなところがあり、まずは会員になる事、なったらなったで割引率の多いカードへの変更(多額のチャージ)、特に女性の場合カットだけでなくパーマ、染髪、マッサージ、スキンケア等次から次へと進めて来る為、トラブルが多い事もあります。もちろん上記のチェーン店の他に外国人や上流階級向けの日本や欧米と遜色ない店も大都市では多々ありますが、こちらは価格のほうも海外並みもしくはそれ以上の場合がほとんどでありここで述べる必要はないでしょう。
日本での散髪
訪日予定のある中国人旅行客に、日本で散髪を体験したいかを聞くと女性客ではほとんどの人が是非してみたいとの回答を得られます。いくら普及したとはいえ中国人にとって海外旅行はまだまだ特別なものと言え、写真写りを良くする為もあるのか旅行前にほとんどの人が散髪してから旅立ちます。どうせ散髪するのなら話の種にもなる日本でと考えるもの当然と言えます。男性客にとってはあまり興味はわかないようですが、夫婦や家族、カップルで来る場合、女性が散髪している間男性もついでに如何というのであれば特に断る理由はないでしょう。
中国の女性であれば金額よりもサービス品質重視でしょうから、それなりの美容室を選択する事が考えられます。成年男性には是非日本の少し高級な床屋で今の中国では味わえない熟練の技術を体験してもらいたいものです。またお子さんであれば「QBハウス」のような場所で手軽なカットをしてもいいお土産話になるでしょう。
課題と展望
とはいえ誰もが気軽にと言う訳にはまだ行きません。何よりも大きな問題は言葉の問題でしょう。同じ日本人でも希望通りにならない事が多々あるように、写真などをみせて意思疎通をした所で出来上がりに不満があれば一回限りの体験となるでしょう。また中国と違い日本の美容室はほとんどが予約を必要としている為、忙しい旅行の中での時間の配分が煩わしいものとなるでしょう。
しかしこれらの面倒な事も文化の違いを体験すると考えられれば、今後多くの中国人旅行客が日本の散髪を体験していく事が期待出来ます。