[中国語]北京語と広東語の区別について
「ゆっくり死んで・・・」と 広東語と北京語の区別について
今日は中国の言葉についての面白い話題です。
ご存知のとおりに、北京語は中国全土で標準語として使われていますが、広東語は中国南部の方言として使われていることは外国人にとっては、あまり知られていないようです。
1970年以来、香港の経済高度成長(いわゆる「大香港」)と共に中国人が木にするようになってきた広東語。広東語だというと、ほとんどの中国人にとっては広東省の方言ではないかというイメージですが、実際にはそれだけではなく、広東語は、香港、マカオ、中国の広東・広西を中心とした地域の住民や出身者により話される言語の一種で、粤語とも言います。この中でも、広州・香港のイントネーションが標準型として広がっています。東南アジアや北米などの地域でも、華僑によって広く使われています。特に北米のカナダでは広東語は英語・フランス語だけに次いでの言葉であり、アメリカでも英語・スペイン語に次ぐ言葉であり、オーストラリアでは4番目の言葉です。2016年現時点では、全世界で広東語の使用人口数は1億人程度と推定されています。これに対して、北京語の使用人口数は中国・台湾・シンガポールを含めて13億人です。
発音から言えば、広東語には8つのイントネーション(8声)がありますが、北京語には4つのイントネーション(4声)しかありません。
初めて中国の内陸部から広東にやって来た人にとっては最初の3ヶ月のうちに何も分からないままであるなど、広東語はまるで外国語のように感じる人が少なくありません。鳥の言葉と、よく一部の経験者から笑われてしまいます。
中国内陸部の人にとっては、広東語は日本語と同じように、発音が簡単で柔らかい感じがします。中国南部の言葉は大体、この特徴を持っています。
面白い話ですが、香港に隣接する深せん市では中国最大級の経済特区として北京語が使われており、中国各地から来た中国人にとっては、あまりに広東にいるという感じがしません。逆に、広東省の他のところに生まれて育ってきた広東人にとっては初めて深せん市に行くと、まるで「外省(つまり、広東省以外の地域の事)」に行くような感じがします。
また、こんな冗談があります。大学の食堂で広東人の同級生から「ねい まんまん せい ろ(ゆっくり食べてくださいという意味)」と声がかけられて中国北部のクラスメートが戸惑ってしまったという話しがあります。なぜならば、中国北部の発音からいうと「ゆっくり死んで・・・」に当たる発音なのです。その意味が分かった後、いつも「はい、ゆっくり死にましょう」と笑いながら返事を返せるようになりました。このように、言葉のイントネーション・発音によって誤解されてしまうケースがしばしばあります。
発音のほか、文法的にはちょっと違うところがあります。北京語は副詞や動詞など、日本語と同じ順番ですが、広東語はちょうど逆です。たとえば「我先走了(先に失礼します)」という文ですが、広東語の場合は、「我走先了(失礼します、先に。)」になってしまいます。
歴史の流れから見れば、広東語は中国の七大方言の1つであり、2200年ほど前の春秋戦国時代から古中国語の元素がもっとも残っている方言です。これに対して、北京語はその「誕生日」から起算して、ほんの400年の歴史に過ぎません。