天猫(T-mall)の経営コスト解説 天猫(T-mall)とショップの騒動はなぜ起きた?その根っこにはコスト
Eコマースを3、4年やっても、コスト構造がどうなっているのかはっきりしないという人もいます。それはCCTVがスターバックスが暴利だと叩くのと同じで、20元の出荷額で手に入れた商品を40元で売りさえすれば、20元儲かると勘違いするようなものです。今では天猫(T-mall)に出店し、出荷額20元のものを3倍の60元で売ったとしても赤字にしかなりません。
目次
一、普通のショップ
例を挙げ、読者のみなさんが計算しやすくします。実はコストとは、商品自体の原価だけではなく、販売過程で発生が避けられない全ての費用のことを指し、基本的に「コスト」は大きく分けて6つに分類できます。
1.商品原価(20元とします)
2.梱包材コスト(販売用、荷姿梱包用、タグ、カード、緩衝材など、5元とします)
3.物流コスト(倉庫保管料、宅配料 12元としますがこれには説明を要します。出店者はこれはコストではない、送料別にすればいい、と言うかも知れませんが、消費者から見れば、送料込みでも送料別でも、購入過程では一度に支払われ、送料込みなら物流コストはその中に含まれ、送料別ならば消費者は送料を加算して支払うので、財布からお金が出て行くのは一回、送料込みにするしないは言い方の問題ですね?だから送料は固定費用です。)
4.天猫(T-mall)の手数料(平均で4%、60元の販売価格では2.4元)
5.課税(平均で8% ネットショップでも納税しなければなりません 天猫(T-mall)のショップが使えるのは法人の銀行口座で、個人のキャッシュカードではありません。ですから、全ての取引で一銭たりとも税逃れはできません。よって4.8元とします)
6.撮影と製作コスト(日用消費財では特に高くなり、モデル撮影も必要、単品商品のSKUごとの陳列で、撮影と画像処理、ポストプロセッシングなど、少なく見積もっても3%、つまり1.8元とします)では、これら6項目を合計すると、45.4元になり、販売価格の75%にもなってしまい、しかもそれは水位が上がれば船の位置も高くなる関係のように連動し、販売での固定支出で、減少することはないのです。
単価20元の商品を、天猫(T-mall)で60元で販売したら、固定費用が75%を占め、粗利は約25%の15元となります。
それで、稼ぐことができるのでしょうか?
残念なことに、上述した固定費用以外にも、更に恐るべき変動費用があって それらはつぎの3項目に分けられます。
1.人件費、つまりお金を払って組織でネットショップを運営するなら、天猫(T-mall)では少なくとも6人(運営、構築、サービス、在庫管理・・・)、会社組織として運営していくとなると、スタッフの給与以外にも、社会保険、事務コストも全て負担することになり、杭州だと7,500元/人を下らないでしょう。そうすると、毎月4.5万元になります。先に述べたように、3掛けで販売し、50万元の売り上げがあれば、人件費は9%になりますが、実際一般的な商店で人件費が15%以内に抑えられれば、健全経営だといえます。
2.広告コスト 広告コストはプロモーション、アクセス数の購入費用であって、Eコマースがネット業界でやっていく上で避けては通れない支出です。広告プロモーションコストは最低でも売上額の12~15%を下回らず、20%超でも普通です。先に述べた成約価格60元を客単価として計算すると、一ヶ月の売り上げを50万元としたら、8,333個の商品を販売しなければならず、一日あたりの販売個数は277個、天猫(T-mall)の平均購買率を2%とすると、ユニーク訪問者数が13,850人でなければならず、広告の一日の集客数(ユニーク訪問者数)が20%とすると、2,770人集客しなければなりません。タオパオ(淘宝)では、直通車、ダイヤランク、集客ツール(共同購入サイト聚划算)が主なプロモーション手段ですが、仮に集客1人に1元かかるとすると、毎日2770元(実際にはこれでは全然足りないが)、月に83,100元の広告コストが必要となり、月間売上額50万元の約16%を占めることになります。
3.この二つの費目をうまくコントロールできれば、両方合わせても売上額に占める割合は22~30%です。
固定費用と変動費用を合わせると、全て投げ打っても利益が出ないか、よくてトントンということになります。でも慌てるのはまだ早い。本当に赤字ではないでしょうか。実はまだあるのです。商売をするには、資金がいくら必要か、在庫はどれくらいストックするのか?資金の回転、在庫コストは?
引き続き上の条件、月平均売り上げが50万、つまり1年の総売上額を600万元と想定します。
一年を次のように4期に分けます(売り上げ個数と仕入れ個数の比を平均80%とします)
1期目の売り上げ60万元 必要資金は約36万元、7万元の在庫コストが残る
2期目の売り上げ100万元 必要資金は約60万元、12万元の在庫コストが残る
3期目の売り上げ140万元 必要資金は約84万元、16万元の在庫コストが残る
4期目の売り上げ300万元 必要資金は約160万元、36万元の在庫コストが残る
これらを合計すると、1年間の商売での必要資金は200万~250万元の間ということになります。
従来型の業界では、投資回収率が15%を下回るなら、そのビジネスはするべきではありません。なぜなら毎年CPIが10%上昇するとしたら、投入した200万元が220万元になってようやく価値が目減りしていないことになります。
先に述べた固定コストと変動コストを加えたものを既に全て支出してしまっていては、稼ぎを生むお金がありません、さらに資金と在庫コストにお金が必要とあっては、どうひっくり返しても損をしないと言えるでしょうか?
これまで述べたのは、普通ショップの天猫(T-mall)での経営ロジックです。90%の天猫(T-mall)のショップがこのように疲弊しきっていると自信をもって言い切れます。
ならば、これとは異なるケースもあるのでしょうか?
二、特別なショップ
ここまで経営コストの分析を書いてきましたが、では天猫(T-mall)で自社製品で展開するにはどうするかというと、以下のようになります。
1.商品の生産者価格20元で、それを4掛けで販売し、固定費を50~60%以下に抑えて、ようやく粗利が50%になり、年間利益が10~15%になりますが、それではCPI上昇率と変わらないので実質的には儲けはないことになります。
2.商品の生産者価格20元で、5掛けで販売し、固定費を50%以下に抑えれば、年間利益が20~30%になり、微々たる儲けが出ます。
3.商品の生産者価格20元で、5掛け以上で販売、例えば6掛け、8掛け、10掛けというふうに…、でもちょっと待ってください。そんな何倍にもすることが許されるのでしょうか?天猫(T-mall)ではどんな商品でも、同類のライバルショップの似た様な商品が山のようにあるのです。あなたのショップの商品のコスパが悪ければ、消費者は何を根拠にしてそんなに高い商品を買うでしょう。しかもネットショッピングを利用するのは安さを求めてです。商品の販売価格が生産者価格の5倍を超えると、平均購買率と売上げに不安の影がさしてきます。
特別なショップである以上、利益を増やす方法があるはずです。
1.客単価。客単価が100元を超え、しかも「ついで買い」率(ひとつのパッケージに複数の商品を入れる)が1.5を超えると、物流、包装コストが10%以上抑えられます。しかし、客単価が高いと平均購買率が下がります。
2.平均購買率。平均購買率が3%を超えると、広告コストが3分の一以上削減できます。
3.リピート率。リピーターは無料で得られるアクセス数です。ポイントとなるのはブランドつまりクオリティと顧客体験で、そのためには商品コストと撮影製作コスト、包装コストも上昇することになります。
これ以外にも、いわゆるブランディングとイメージ作りがあり、これらは競合店とマーケットではっきりと表れ、ブランドによって消費者の商品に対する認知度を構築します。
換言すれば、消費者が元々持っている購買ニーズは、商品のデザイン、種類、価格などの尺度からタオパオと天猫(T-mall)という巨大モールにきて「検索」し、必要な品物を探し当てることで購入を生み出し、ブランドへの認知を変え、今度はブランド固有の特徴によって商品を探すようになるのです。例えば、“御泥坊”、“阿芙精油、三只松鼠”ではブランドが商品であり、カテゴリーがブランドになっています。アロマオイルといえば阿芙が、ドライフルーツといえば三只松鼠が頭に浮かぶようになります。しかしこれは簡単なことではありません。どのタオパオのカテゴリーでも、消費者が記憶するのは第1位だけで、理論上2位はないのです。生々しい真相を抉り出すと、第1位は資金をつぎ込むことであって稼ぐのではないのです。資金をつぎ込んでブランドを構築し、マーケットをリードできる規模を獲得し、その市場規模によって投資を獲得し、その投資でさらに市場占有規模を拡大させていくというサイクルになります。このような状況で2位以下の者にどんな見込みがあるでしょうか。もちろん反撃のチャンスがないわけではありませんが、反撃の鉄則は、より大胆で情け容赦のない資金投入で、採算割れでも1位を打ち負かそうということになり、結局、同じことになるのですね。
だからこそ特別なショップなのです。彼らは資金がショートすることはないが利益は上がらない、このようなピラミッド型のヒエラルキーのロジックを数百万店のショップは学べるでしょうか?ピラミッドの頂点だけが輝き、その下には屍が積み重なっているのです。
三、天猫(T-mall)経営のロジック 得るのは利益か人気か?
スタバのことを批判していた人も目を覚まさなければなりません。20元のものを60元で売っても損してしまうほど、儲けることはショップにとって難しすぎるのです。
ここに致命的な問題が示されています。つまり天猫(T-mall)では大部分のショップが赤字で、少数のショップだけが儲かっています。先行し優位なショップ、例えば韓都衣舍のようなショップには毎日数十万から百万のアクセスがあり、広告費に一銭も使わなくても、数百万の商品を売り上げます。彼らは「本源的蓄積」の過程を体験し業界の代表になりました。これこそがどうしても言及しなければならない天猫(T-mall)経営のロジックなのです。
1.販売が進まない 天猫(T-mall)ではブランドが欠かせません。消費者がもし安さを求めるのなら、原価の3掛け以下の商品だけを買うでしょう。消費者が消費するのは価格でありデザインであって、ブランドではありません。多くの消費者が必要な商品の「検索」で必要な商品を見つけ、選別しています。アクセス数は「検索」によって変動するので多くのショップがリスティング広告に多くのコストを費やさなければなりません。
2.ブランドを売る いわゆるブランドにはプレミアム原理があります。つまり原価の4掛け以上の商品では、コスパが悪化するので、より多くの支出と工夫によってブランドのイメージ形成をしなければなりません。これが顧客体験で、消費者の購買を捉え「さえない系男子の気持ち」へのリスペクトなのです。このような消費者が商品を探すときにはブランドを直接探し、ショップをお気に入りに集めるのです。この種のアクセス数にはお金がかかりません。販売価格が高くなり、より多くの資金を広告につぎ込むことができ、広告にお金をかけられないショップを打ち負かすことができるとも言えます。
ここまで述べてきたのは、基礎的なネットショップの知識で、次のステップに進みましょう。
四、タオパオと天猫(T-mall)に内在する矛盾の根源
タオパオの一日当りの取引額は30~40億元を下回らず、天猫(T-mall)の今年の取引額が2,000億元ならば、一日当りの取引額は8~10億元になります。
1.11月11日は何を意味するのか?
11月11日(独身の日)は大々的なセールが開催される日で、天猫(T-mall)の約7万のショップのうちでは2万店が参加しますが、タオパオでは600万店あるショップのうち一店もセールに参加できません。独身の日の350億という驚異的な取引額の裏ではなにが起こっているのでしょう
消費抑制 「独身の日」が近づいてくれば、買いたいと思っていた商品でも、セールの10日前に早まって買おうとはしないでしょう。このように抑制されていた100億元もの需要が11月11日に爆発するのです。10日間の抑制で購買力の重心の移動が起こり、2万店の選ばれたブランドのショップが、本来ならば600万店分だった消費を一手に引き受けるのです。元からのタオパオの消費と、天猫(T-mall)の消費者が、その一日に一塊になって少数のショップに移動します。しかも2万店のショップのうちの20%、すなわち4,000店が全体の消費の90%以上を独占します。
料金所 天猫(T-mall)はショップをふるい分けしますが、全て手数料が発生します、平均で4%、350億元の取引があれば天猫(T-mall)の収入は16億になります。さらにセールの広告料を加え、返品や交換、蓄積していた成約を引くと収入額は20億元を超えないでしょう。
そのほかにも、11月11日は大型ショップは天猫(T-mall)に手数料を払って取引量のほぼ全体を独占し、新たな購買層を得ます。消費者の群れが分散していたタオパオ市場から集団移動しブランドや大規模ショップの新規顧客になっていきます。その有様はまるで草原に散らばっていた羊たちが追い立てられて数箇所の固定した飼育場に集められるかのようです。
このため、見た目はすごい11月11日ですが、アリババの収入はそれほどでもなく、ただ、マーケティングによって購買力を極度に搾り上げるだけなのです。
それでは、タオパオの数百万のショップはこの大イベントのおこぼれにはまったく預かれないのでしょうか?クレームが出ないのでしょうか?
2.タオパオとは一体どんなモデル?
タオパオ,天猫(T-mall),聚划算(ジューファスワン)はいずれも大タオパオのカテゴリーに属し、大タオパオのビジネスモデルはプラットホーム+決済サービスというモデルです。
B2Cとは? B2Cとは一方が工場、もう一方が消費者で、Eコマースの魅力はここにあります。つまり、プラットホームに出店して、工場の製品を消費者に販売することで中間プロセスを減らし、コストを抑えられ、消費者にやさしい価格でしかも利益が得られます
しかし、これだけでは、競争コストと高額の決済コストを見落としています。これこそが”アリババ集団”、馬雲氏の金づるなのです。
このB2Cをその生態系全体から見ると、ショップはそこに寄生することで商売をができ、必ずいくつかのポイントを通過しなければなりません。
1.起点はブランドと製品で中国にあり、ほとんどが工場
2.終点は消費者
中間の通過ポイントは、工場出荷―販売業者(代理、委託)―モールへ登録―撮影・製作―ショップの維持管理―プロモート(アクセス誘導)―サービス(コンバージョン)―カスタマーサービス・アフターサービス―発送作業となります。
このようなモデルで、ある特定のタオパオの購買層は数億人、どのブランドや商品にもそれに対応する特定の購入欲求をもつ消費者がいます。しかし、この「特定の」というのでは、藁の中から針を探すようなものです。ブランドものの高級腕時計の価格が2万元だったとして、タオパオの購買層の中に特定の顧客が2万人いるとします。ではこの2万人をどうやって見つけるのか?タオパオが示している解答は、検索です。この2万人の具体的なニーズは人それぞれです。では、この人たちが商品を探し当てる方法はなにか?価格、デザイン、機能、ブランド…とさらにそれら以外の何百何千もの”商品を探し当て”、商品を”検索”し見つけるロジックが消費者の購買意思決定に影響を与えるのです。
もしあなたがブランド腕時計のショップだとします。特定の消費者が時々刻々検索をしたときに、あなたの商品が最初に、そしてトップの位置に表示され、きれいに見えるようにしなければなりません。仮に、毎日3,000人がそのデザインの腕時計を検索し、あなたの商品が消費者の目に触れクリックしたタイミングで、検索プロモーション、すなわち直通車が機能します。それには最低でも1,000~2,000元のオークション費用が必要です。これによってアクセスを誘導できるというのが、タオパオの基本のキです。
それでは、あなたが毎日数億もの検索要求の中から、正確にあなたが求める特定の消費者を選り分ける、これは一本のルートと言えます。今やタオパオと天猫(T-mall)ではすべてのルートに、アクセス数に応じて料金所が出現するというモデルなのです。しかもその料金はオークションで競争しなければならず、出費額はとてつもない額で、継続して毎日支払い続けることで、ようやくこのルートはスムースに通れるという、まったく、中国式の高速道路のようなものです!
私が述べてきた常識が全てわかっているのならご勘弁を。ただ、もし私がそのようなブランドだったら、直接その料金所を飛び越えて、先ずその潜在的な2万人のユーザーを探し出し、直接消費者にアクセスして、説得すればいいのに、なぜ苦労して、日々支払いをし、繰り返し通行料を払わなければならないのか?商品が広まる場所に置いたまま、ある日ウサギが飛んで出て木の根っこにぶつかるのを待たないのか?なぜそうしないのか?これこそがタオパオのEコマース経営のロジックではないのか?あなたがまだよくわからないのはここかもしれません。
SNSの定義によれば、ユーザーは共有によって需要を刺激し、まず特定のブランド、個人のフォロワーになり、好みを伝えるので、あなたはその好みに応じて商品とコンテンツを提示する、そうすることで料金所を回避でき、ユーザーが気に入ればフォロワーになります。ここで得られる「信用」はほとんどほぼ無料です。
ここでは、ウイチャットでどうすれば料金所を迂回して“タオパオ式”のショッピングのロジックを覆すことができるかは述べません。なぜなら、ここまで述べてきたロジックがわかれば、ウイチャットやSNSは顧客からの能動的なフォロー+それに対応した双方向のシステムで、消費者のフォロー+ニーズに基づくショップ側の反応で相乗効果が得られるシステムになることもあります。このような仕組みが一旦構築されれば、料金所のない生産者から消費者への輝けるルートとなり、B2Cがようやくにして全ての中間の障壁を取り去ることができるのです。
ですから、“大タオパオ”が今打ち出しているこのモデルはアリババのショップでのロジックであって、アクセス数は買い取らなければならないという前提で、高速道路が実際にはとっくに開通しているのに、高速道路を建設した後から彼らはそこにさらに無数の料金所を増設します。アリババグループの上場によるビジネス戦略が進むにつれ、このモデルをより完全なものにするために、料金所が増える一方になるのは避けられないのです。
それでは、タオパオと天猫(T-mall)の間に内在する矛盾はおわかりでしょうか?
天猫(T-mall)は少数の有力な企業化して運営されるショップをブランドによって集中させ、料金所というモデルを運用し、アクセス数を買い取りを促すというビジネスモデルを成立させているのです。一方、タオパオの600万のショップは、その多くが無茶な価格で、価格差の空間の中で、払う余裕のないお金でさらに多くのアクセス数を買おうとし、お金を払えなければのろのろと一般道や農道を走り、その道路も最終的には荒廃してしまいます。例えれば、タオパオの600万のショップが、動脈と交通網によって構成される大市場全体を支えていて、最終的には天猫(T-mall)の規格外の有料高速道の強大な輸送能力によって始末されてしまうのです。
五、天猫(T-mall)はこんな感じだがその他のプラットホームは?
京東,一号店,易迅と天猫(T-mall)は何が違う?
もちろん同じではありません。違いの中でまず上げられるのが、タオパオはもうすでに消費者の購買行動に一連の中国スタンダードを植え付けています。しかもこれらのプラットホームでは多くが物流のアウトソーシングを採用し、彼らのプラットホーム+ワンストップの決済というモデル、ワンストップつまりこれらのプラットホームは外部調達の流れを一まとめにできるので消費者を引き付けます。経営者や出店しているブランドにとっては、天猫(T-mall)のモデルはすでに受け入れられていて、しかもこのプラットホームが最初に選択するのはブランドです。しかしブランドの出店はネット上にショウウインドウをただ増やすだけで、これが所謂オムニチャネルなのです。
このコストは可視的ではっきりしているのですが、天猫(T-mall)経営のこれらのどんどん加算されるコストは不可視的です。これがショップ経営で日々のリスクのコストと規模のコントロールに役立っています。
六、未来と転覆
Eコマースが最終的には原点回帰するのはインターネットの常識です。インターネットではプラットホームを有するだけではなく、より重要で本質的なのは「ルート」です。将来はルートが主流となるのは必然です。携帯電話でも、APPでも、ウイチャットなどでも、プラットホームがなくてもルートさえあれば、ビジネスができるのです。しかし現状ではこのルートを有しているのはウイチャットだけで、これこそ馬雲氏は潜在的な危険だということなのです。もし彼がウイチャットを封鎖したら、美麗説や蘑菇街はどうするのか?アリババに属さない無料のあらゆるルートを、馬雲氏は絞め殺すこともできるのです。
でも絞め殺せるのか?
将来モバイルネットが主流になるのは必然です、商品が工場に、倉庫に、陳列棚に、仮想のATLでもBTLでも関係なく、モノのインターネット技術とリンクし、それぞれ独自のネット上のルートによって、消費者にダイレクトにリーチするようになります。Eコマースが、タオパオ式だけではなく、究極はインターネットを流れるデータが消費者にダイレクトにリーチし、それには時と場所を選ばない。、私たちは更に専門のショッピングのためのプラットホームが必要になるでしょうか?万能のタオパオでどんな商品でもみつけられるというのに。
モデルの競争において、天猫(T-mall)とそれ以外のプラットホームは全く異なります。天猫(T-mall)はタオパオの購買力を転移させればそれでよく、馬雲氏のEコマースの基礎は相当に堅固で、その他大勢のモデルとは異なり、不安要因は何も見当たらないのです。