国慶節休暇10月1日~7日、アリババの中国人海外旅行レポート、日本はまずまず、韓国が復活か?
国慶節明け、真っ先に休暇期間の詳細な海外旅行データを発表したのは、アリババグループのモバイル決済・支付宝(Alipay)と、傘下の旅行会社・飛猪の連合だった。位置情報と支払い履歴から、どこで何をしたか、海外での消費行動まで、みなわかってしまう。民間企業のデータが、政府より早くて精密という時代になっている。その評価はさておいて、彼らのデータを参照しながら、国慶節期間における、中国人の海外旅行動向を探ってみよう。
海外旅行客データ
国慶節期間中、中国人が海外で使用したモバイル決済高は、史上最高を記録した。一人当たり平均決済額は2500元に接近、前年同期比14%増だった。また1回当たり決済額は11%増だった。
海外旅行者を多く出した地方のランキングは、広東省、上海、北京、浙江省、江蘇省、福建省、山東省、湖北省、四川省、遼寧省の順だった。広東省人のモバイル決済額は19%伸びて、全国3位だった。伸び率1位はチベット自治区、2位は山西省だった。年齢別では“両極”が大きく伸びていた。00后(2000年代生まれ)が前年比130%増、60前(1960年より以前の生まれ)が30%近く伸びていた。
最も中国人訪問客の増えた国は、1位モンテネグロ1418%増、2位は、ウズベキスタン469%増、3位はスロベニア176%だった。
モバイル決済(支付宝)データ
支付宝のモバイル決済は、55ヵ国に浸透し、約30万の商店で行われた。国慶節期間における注目データは、決済数で初めて日本がタイを上回り、ランキング1位となったことである。これは日本にはよいニュースといえる。ただし、韓国向け団体旅行が解禁となったため、仁川空港でたくさんの中国人が、荷物の詰め替えをしている映像が出回った。さらに向こうはウオン安、こちらは円高だったため、多少為替で日本には不利に働いた可能性はある。
支付宝決済の範囲は拡がる一方である。地域別伸び率1位は、ポルトガル630%増、2位は、フィリピンの250%増、3位は、モルディブの150%増だった。
海外旅行の最も伸びた年代は、25歳以下の若者層で、前年比17%増だった。彼らの航空券予約のトップ5は、ソウル、香港、バンコク、マカオ、東京の順、宿泊予約のトップ5は、東京、パリ、大阪、マレーシア、ソウルの順だった。
まとめ
その他今年の新しい流行として、ヨーロッパへの鉄道の旅が30%増、東南アジアへのドリアンの旅が59%増だった。それに韓国の復活もトピックの1つに挙げられるだろう。化粧品や日用品では、再び日韓はバッティングすることになりそうだ。
また国内、国際を合わせた旅行客総数では、35歳以下の比率が65%以上に増加したことが特筆される。若い世代へのプレゼンテーションがますます重要となっている。若者の間で影響力が高まるばかりの、Tik Tok、快手、小紅書など、短視頻ショートビデオを使って、各観光地とも魅力の発信を強化していきたい。