中国のBtoBプラットフォーム100強②上場企業その2、科通芯城、焦点科技、生意宝、慧聡集団
前回にひき続き「2018中国B2B行業百強榜」の上場企業類から「科通芯城」「焦点科技」「生意宝」「慧聡集団」の4社紹介していこう。もう1社の「欧浦智網」は、投資リスクの高いST(Special Treatment、特別処理銘柄)に指定されているため、ここでは省く。
科通芯城
科通芯城は2010年、深圳で設立されたIC元器(Electric Compornents)のネット通販である。1995年設立の科通集団に属している。同集団は2014年、香港市場に上場した。
電子部品業界において、中小企業顧客の発注は、金額は少なく数量や頻度は多い。しかも地域は分散し、従来型ビジネスモデルでは、営業、技術サポートとも難しい。科通芯城は20年にわたり、こうした声に応え、実績を積み上げてきた。現在では、産品、物流、倉庫、技術サポートの標準化を進め、自社仕入れのB2Cプラットフォームも運営している。
公式サイトは、よくありがちな経営理念などのスローガンはなく、実用一点張りの印象である。日本ブランドとして、パナソニック、ニチコン、TDK、スガツネ工業、京セラ、Mamiki,
Sosionext等から買い付けている。
https://www.cogobuy.com/
焦点科技
焦点科技は1996年、南京で設立された、総合型工業製品B2Bプラットフォームである。アリババより古く、国内B2Bのパイオニア的存在だ。2009年、上海市場へ上場している。
主力サイトは1998年から展開中の「中国製造網」である。全世界を網羅し、国内中小企業の海外販路構築に貢献した。取引情報の提供、検索、管理サービス、初歩の商流構築までサポートする。ドメイン名は、メイドインチャイナ、ドットコムで、最も有名なB2Bプラットフォームといわれている。
製造網の公式サイトは、ほぼ全ての工業製品を網羅している。総合サイトながら、各産業別情報、製品情報も充実の印象だ。
https://cn.made-in-china.com/
生意宝
浙江網盛生意宝(以下生意宝)の前身は1997年、杭州市で設立された杭州世信信息技術有限公司である。同年、中国初の垂直統合型B2Bプラットフォーム「中国化工網」をスタートした。その後「中国紡織網」「医薬網」を立ち上げ、複数の専門サイトを運営するようになった。2006年、深圳市場へ上場している。2010年には中小企業向け金融サービス“貸款通”をスタートした。2019年、浙江省政府から、“零細企業三年成長計画”に基付く零細企業サービス“優秀企業”のトップに選ばれている・
中国化工網 http://china.chemnet.com/
中国紡織網 http://www.texnet.com.cn/
医薬網 http://www.pharmnet.com.cn/
慧聡網
慧聡網は1992年、設立されたB2B総合情報企業である。1990年代は、もっぱらコンピューター、自動車、家電業界などの企業情報ホットライン「160188」として名を挙げた。
21世紀に入り、情報発信は電話からインターネットとなったが。業績は好調を続け、2003年、香港市場へ上場した。情報サービス企業、B2B関連企業として初の上場だった。2004年に慧聡網に改称し、40業種の情報提供サービスと、76業種の検索業務を開始スタートした。現在までに、会員企業は10万社を超え、累計では2000万社にサービスを提供している。
https://www.hc360.com/
まとめ
2010年設立の専門サイト科通芯城も1995年から活動していた。やはり上場企業類は老舗が多い。生意宝は、複数の専門サイト運営している。焦点科技は、総合でも専門性を充実させている。いずれにせよ、専門性を高めた上で、資金面までふくめた中小事業者の課題にソリューションを提供すること。これが生き残りのカギとなりそうだ。