拼多多は双11で京東を上回る?ネット通販2位の座を確保したのは、本当はどちらか
今年の双11(11月11日独身の日セール)、アリババの売上は2648億元(4兆1000億円)京東は2135億元(3兆3000億円)と、例年通りリアルタイムで戦果を発表した。しかし拼多多は、いつまで待っても音さたはない。株式時価総額で、京東を何度も上回った拼多多の戦果は、注目の的だったため、ネットメディアも図りかねている。とはいえ、公表されたデータもある。それらを参考に、最新の拼多多を描き出してみよう。
拼多多の第三四半期決算
双11後、拼多多の第三四半期決算が発表された。それによると9月末までのアクティブユーザー数は、5億3630万人、前年同期比1億5080万人増だった。拼多多のミニプログラム経由ではない、独立アプリの月間アクティブユーザー数は、4億2960万人、前年同期比1億9790万人増だった。
9月末までの12ヶ月、拼多多のGMV(一定期間の成約総額)は、8402億元(13兆円)、前年同期比144%増だった。第三四半期の営業収入は75億1390万元(1160億円)123%増だった。株主に属する利益は、23億3500万元(360億円)の欠損だった。これも前年比113%増である。売上も赤字も両方大きく伸びたという、不思議な決算だ。赤字拡大が嫌気され、株価は大きく下落した。
一方、京東の第三四半期の業績をみると、純服務収入160億元(2500億円)前年比47%増、このデータが拼多多の営業収入75億元に相当するようだ。これを見ると、まだ2倍以上京東が上である。しかし、京東のGMVデータはなく、正確な比較ではない。
双11拼多多のデータ
民間調査機関、QuestMobileは11月下旬「2019年双11洞察数据分析報告」を発表した。それによると今年の双11、全ネット通販の取引規模は6000億元(9兆2500億円)前年比51.8%増だった。アリババと京東で4783億元、79%を占めている。すると残り各社で1217億元(1兆8800億円)ということになる。
拼多多の双11当日のアクティブユーザー数は、2億2000万人(前年比1億100万人の純増)
だった。なおこのデータでは淘宝4億6000万人、京東は1億人である。拼多多は京東の2.2倍だ。
また双11当日のミニプログラム(小程序)経由の、ネット通販アクティブユーザー数、というデータがある。それによると
拼多多(微信小程序) 2930万人
アリペイ(支付宝小程序)2360万人
京東購物(微信小程序) 1805万人
唯品会(微信小程序) 705万人
双11拼多多の主張、アリババに匹敵?
拼多多の黄CEOは、社内の講話で、第三四半期われわれのGMV[は京東を超えた、と発言したという。なおさら双11の数字が注目される。しかし発表しないのはなぜか。それは、時間がないこと、そのようなシステムがないこと、の2つによる。たった1日の数字がプラットフォームの実力を表すとは思えない、と冷めた態度である。
しかし、意固地になっているわけではないらしい。双11期間、拼多多は4億8000万のユーザーを扱った。これが本当なら天猫(アリババ)の5億とあまり変わらない。
そして一部のデータのみ披露している。11月11日0時16分、自動車の売上1000台突破、iPhone11では、500元(7700円)の助成金を出し10万台を秒殺で販売した。などである。
まとめ
この他にもデータ上では、拼多多が京東を上回るケースが目立つ。例えば今年の双11では、TikTokや快手などの短視頻(ショートビデオ)アプリが大活躍した。TikTokを閉じた後、どのネット通販を開いたか、というデータがある。それによれば、淘宝38.9%、拼多多30.0%、京東は3.3%にすぎなかった
京東は家電など大型商品に強く、平均単価は高いはずで、GMVの再確認が必要だ。しかし、さまざまな観点による比較から、2位争いが激戦となっているのは間違いない。年間決算の発表が待ちどおしい。