中国のBtoBプラットフォーム100強⑭観光、旅行業界、八爪魚在線、真旅網、芝麻游、泰担雲
今回は、観光・旅行業界を取り上げる。携程(シートリップ)などBtoCイメージの強い業界だが、どのようなBtoBプラットフォームが活動しているのだろうか。八爪魚在線、真旅網、芝麻游、泰担雲の4社を見て行こう。
八爪魚在線
八爪魚在線は2011年、浙江省・蘇州で設立された。国内初の“オンライン旅行発展”企業である。オンラインで観光、旅行商品を、卸売りするBtoBプラットフォームだ。短期、長期の国内旅行、海外旅行、航空券、車両の手配、施設入場券などの旅行商品を、同業者へ販売している。
公式サイトによれば、大きな目標は、旅行代理店のオープンを促すことである。100人を超える技術スタッフが、データ分析と管理、代理店の営業管理と顧客管理を行う。また、支払い、資金管理のリスクも管理する。さらに在庫(空席)に関しては、どこよりも早く、反応する。旅行代理店に対する直接投資、金融サービスにも力を入れている。
http://www.888ly.cn/MainService/TravelService.html
真旅網
真旅網は2007年、上海不夜城国際旅行社と国際プライベートファンドの共同出資により、香港で設立された、旅行代理店へ商品を供給するBtoBプラットフォームだ。現在の本社は上海にあり、北京、成都、米国等に支店を開設している。従業員は1000人を超えた。航空、ホテル、観光、営業、ITの各部門に、経験15年超えのベテランスタッフをそろえている。
公式サイトには、“智能旅庫”とサブタイトルが付いている、検索能力、高効率の仕入れ、予約状況把握、高い利益率を実現する代理店サポートに優れるとある。提携先として、アメリカン航空、カンタス航空、AIRニュージーランド、トルコ航空、ANA JAL等を挙げている。
https://www.travelzen.com/tops-front-purchaser/facade/signin?loginFailureCount=0
芝麻游
芝麻游は2010年に設立された厦門市の任我游科技発展有限公司が運営するBtoBプラットフォームだ。中央国有企業、地方国有企業、上場企業など9社が共同出資している。
有力な観光地である厦門の観光資源の卸売りからスタートし、総合的な旅游BtoBプラットフォームとなった。国内、海外の優良な観光資源を垂直統合したO2O運営モデルである。旅行資源の共同仕入れ、卸売りとともに、代理店に対する、旅行業界用の内部管理と決済システム、データ統計分析、資金回転の高速化、などを提供している。フリー旅行と伝統的観光のパターンを、一体化、標準化したプラットフォームという。
http://www.zmyou.com/login.jsp
泰担雲
泰担雲は、2013年5月設立の深圳市天下房倉科技有限公司の運営する、SaaS+PaaSのワンセット方式の旅行業界技術サービスプラットフォームである。深圳本社に加え、上海、広州、北京、三亜、武漢に支店を開設している。2018年6月にはシリーズCで1億元(16億円)以上の資金を調達した。
公式サイトは、スローガンで満ちている。SaaS、PaaS、NetWork、Mobile、Solutionに分類されているあたりは、いかにも深圳の新進IT企業らしい作りだ。そしてSaaSによるソリューション提供、専門的データ提供、即時データ更新、専門家集団による技術サポート、の4つ強調している。注目の新感覚企業である。
まとめ
日本の旅行商品とは、JTB、KNT、HISなどの大手を中心に、自社開発し、自前のルートで販売するのが一般的だろう。中国には独自の旅行商品卸売り市場があった。以前から存在したのではなく、オンラインの発達により新しく登場した新業態だろう。中国では思いがけない業界でもデジタル化が進んでいた。中国のイノベーションは、社会の隅々まで浸透している。