2020年3月の垂直電商(専業ネット通販)ランキング、やはり上位はアリババ、ファーウエイ、シャオミなど大手系列
中国のネット通販といえば、まずアリババ、京東、拼多多等の総合通販が思い浮かぶに違いない。もちろんそれだけではなく、他の専業ネット通販もたくさん存在している。専門業種に絞ったB2Cや、B2Bプラットフォームである。最近、ネット通販データの「電数宝」は専業トップ40ランキング(2020年3月)を発表した。日本では知られていないサイトが多い。しかし上位社を分析することによって、中国産業の最前線をより深堀りできるはずである。以下トップ10を見ていこう。
1~5位、大企業の系列4社
(名称/アクティブユーザー数/前月比)
1位 閑 魚 4878.3万人 182.5%増
2位 華為商城 1565.1万人 191.4%増
3位 小米商城 1361.3万人 58.9%減
4位 アリババ 1181.2万人 120.0%増
5位 蘑菇街 1075.3万人 6.76%増
閑 魚=アリババの不用品、中古品売買サイト。2016年グループ内の中古サイトを統合して誕生。淘宝または支付宝の登録を使い、ただちに出品が可能。
華為商城=2012年スタート、ファーウエイの自社ネット通販サイト。通称VMALL。スマホ、ノートパソコン、タブレット、VR、スマート家電等。
小米商城=小米(シャオミ)の自社通販サイト。小米は2010年の設立から、暫くの間、販売ルートは通販のみだった。現在は「小米有品」に力を入れている。IOT家電やスマート家具等。
アリババ=1688網、国際站などB2Bプラットフォームの集計と思われる。どのサイトなのか具体的な記述は無し。
蘑菇街=2010年設立のベビー・マタニティー専門通販。直播電商(ライブコマース)も取り入れるが、業績低迷で人員カットの噂。
6位~10位 独立系3社
6位 転 転 946.9万人 5.28%増
7位 微 店 484.2万人 181.3%増
8位 慧聡采購通 438.6万人 5.26%増
9位 識 貨 31.6.7万人 195.5増
10位 交易猫 284.3万人 253.9%増
転 転=58集団が2015年に設立した不用品、中古品売買サイト。2017年、テンセントが2億ドルの巨額出資、以降系列下に。直近のユーザー数2億人。
微 店=北京口袋時尚有限公司が2013年リリース。8000万のオフライン店が利用、売上400億元以上、商品数2億以上。中小商店の売買をサポート。オンラインショップは無料で即時開店が可能。
慧聡采購通=慧聡網(1992年設立)の運営するB2Bサイト。消耗品と約30業種の工業製品や原料を扱う。かつては北の慧聡、南のアリババと並び称された。
識 貨=虎朴体育傘下の通販サイト。2014年スタート、2019年、バイトダンスが出資。スポーツウェア、シューズ、各種スポーツ用品を扱う。若者へのアピール力強い。
交易猫=スマホゲームの売買プラットフォーム。2013年スタート。高いものは5,000元(7万6000円)以上で取引されている。支付宝と提携。
まとめ
ユーザーを大きく伸ばしたのは、閑魚、華為商城、アリババ、微店、識貨、交易猫の6社だった。11位~40位はすべて10%以下の微増にとどまり、高成長サイトは上位に集中していた。
昨年、バイトダンスが識貨の運営会社に投資したのは、スポーツのライブ配信を強化するためだ。その他の専門サイトは、急発展中のライブコマース、動画時代についていけるがカギとなる。ユニークな切り口をもっていても、成長の滞った企業は、アリババ、テンセント、バイトダンス等に狙われることになりそうだ。