国慶節休暇旅行の検索数、予約数とも日本が1位。インバウンド消費は大いに期待できる?
今年の国慶節には、例年以上に注目が集まっている。建国70周年の節目に当たり、軍事パレードが行われること。これまでになく、経済が低迷していること。米国が関税引き上げを猶予していること。国慶節を境に香港への対応が変化するのでは、との観測があること。
などである。日本は消費税率アップの初日でもあり、免税の短期訪日外国人客は大歓迎だ。直前の情勢を探ってみよう。
訪日外国人数(8月)
8月の訪日外国人数の速報が発表された。8月は2.2%減少した。災害に見舞われた昨年9月以来11ヶ月ぶりの減少だ。原因はもちろん韓国人で、前年比48.0%の減少だった。中国は16.3%増、台湾6.5%増、ベトナム27.7%増、フィリピン27.5%増、米国14..5%、オーストラリア13.8%増である。香港はあの騒ぎにも関わらず、4.0%減ですんでいる。
韓国人のインバウンド消費は、訪日外国人平均の半分なので、韓国人比率の高い九州や、宿泊業を除く日本全体ではあまり影響はない。
免税売上(7月)
7月の百貨店(93店舗)免税売上は、前年比3.4%増だった。化粧品、食料品などの消耗品は7.3%増、客単価も7.3%増だった。
来店客数は、中国、台湾、香港、韓国、タイの順。訪日客数2位の韓国は、ここでは4位である。8月以降も重大な影響を与えることはなさそうだ。
それよりも懸念された、中国電子商務法(2019年1月1日施行)の影響は、限定的になっていて、これが大きい。1月に92.3%とへこんだ以外は、毎月100%以上を保っている。
検索、予約とも日本がトップ
全世界をカバーしている地図アプリ「百度地図」は国慶節予測レポートを発表した。それによると、最も検索されている国は、
1 日本、2 韓国、3 タイ、4 ベトナム、5 シンガポール、
6 ミャンマー、7 マレーシア、8 オーストラリア、9 インドネシア、10 米国
の順だった。都市は、バンコク、東京、ニャチャン(ベトナム)がトップ3だった。
オンライン旅行トップ「携程」のデータによれば、ビザの簡素化、台湾歌手・周傑倫の新曲MVの影響を受け、日本が海外目的地ランキングで1位となっている。ビザを取得した人の4人に1人が日本ビザだった。そして日本ビザ発給量も前年比20%増加し、連休用途としては史上最高を記録している。
ビザ取得数ランキングは、下記の通り。
1 日本、2 シンガポール、3 韓国、4 タイ、5 マレーシア、
6 米国、7 ベトナム 8 フィリピン、9 オーストラリア、10 英国
また別のオンライン旅行サイト「途牛」によれば、人気の都市は、大阪とバンコクが2トップ、以下ニャチャン、東京、プーケット、名古屋、京都、パタヤ、チェンマイ、奈良となっている。
まとめ
国慶節休暇では、国内旅行は70周年にちなみ、革命聖地を訪ねる“紅色の旅”、海外では近場のアジアが人気、という傾向が見て取れる。直前情勢を見る限り、日本のインバウンド消費は、問題なさそうである。海外へ出た中国人は、不況風など見せないからだ。気がかりがあるとすれば、春節休暇以降、大きく進んだ円高、元安だ。こちらは多少ブレーキ要因になるかも知れない。