中国のBtoBプラットフォーム100強⑨電子部品、立創商城、雲漢芯城、中電港、捷配
今回は電子元器件(Electronic components)業界を取り上げる。米中貿易戦争の主戦場でもあり、注目の業界である。立創商城、雲漢芯城、中電港、捷配の4社を見ていこう。
立創商城
立創商城は、深圳市立創電子商務有限公司(2012年設立)の運営する電子部品BtoBプラットフォームである。国内外の有名メーカーと長期にわたり正規の代理店契約を結び、電子部品の少量の買付けなどあらゆる需要に対応する、中国最大の電子部品購入プラットフォームを目指す。
公式サイトによると、登録ユーザー数100万以上、1日当たり成約件数4000件、2018年売上約10億元(150億5000億円)在庫SKU20万、直営現物倉庫7万平米、品質保証、直営在庫4時間以内出荷とある。売上は2017年の2倍と急拡大している。また電子部品界の“双11(11月11日独身の日セール)”を主導し、今年は3900万元(6億500万円)を売り上げた。商品分類は詳細を極め、オンライン電子問屋といってよさそうだ。2019年7月シリーズAで2億5000万元(39億円)を調達した。
https://www.szlcsc.com/
雲漢芯城(ICkey)
雲漢芯城(上海)は2008年に設立された、国内最初の電子部品BtoBプラットフォームである。買付け、技術サポート、金融サービス、情報発信、一体で、メーカーとエンドユーザーを結ぶ。蓄積したビッグデータ、提携パートナーとともに、高効率の付加価値サービスを提供する。
公式サイトを見ると、設計請負い、試作品の組立て等、研究開発プラットフォームの一面も強調している。登録企業ユーザー数は25万以上、また登録エンジニアは16万人を超える。2017年、立創商城より1年早く、オンライン売上10億元を突破した。また2018年、シリーズCで1億8000万元(2億8000万円)を調達している。
https://www.ickey.cn/
中電港
中電港は、深圳中電国際信息科技有限公司(2014年設立)の運営する電子部品BtoBプラットフォームである。同社は国務院管轄の中国電子信息産業集団有限公司が、国家級の電子部品BtoBサイトを構築のため設立した。工業信息化部の「電子商務集成創新試点工程」プロジェクトの一環である。
公式サイトを見ると、中国チップの未来をのために、という標語以外、特に国家臭は感じない。
設計サービスの「蛍火工場」電子部品販売の「中電器材」オンライン取引の「iCEasy 」物流サービスの「EAChain」の4つに分かれている。「iCEasy 」の品ぞろえはフルラインで、ページは相当に重い。テンセント系の微衆銀行とも提携している。
http://www.cecport.com/
捷配
捷配は、杭州捷配信息科技有限公司(2015年設立)が開発し立ち上げた、ワンストップ式の電子部品BtoBプラットフォームである。O2O、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モバイル、の技術を生かし、100万以上の中小製造企業に対し、共同買付けプラットフォームを提供する。
公式サイトを見ると、主力商品は、PCB(プリント基板)である。非常に細かい商品検索ができる。またエンジニアのレベルを選び、サービスを依頼することも可能だ。また詳細にわたる価格見積もりを提示する。プロのサイトである。
https://www.jiepei.com/
まとめ
電子部品BtoBには、国家プロジェクト企業も参加していた。ただし、サイトデザインは民間とほとんど変わらず、競争を阻害しているようには見えない。
また立創商城と雲漢芯城は、それぞれ深圳と上海を代表する高度成長企業である。地理的には、上場企業の「科通芯城」を含め深圳が大きくリード、上海・杭州が追い上げる展開だ。その他さまざまな分析が可能だろう。