中国のBtoBプラットフォーム100強③ユニコーン企業、匯通達、中商惠民、康衆汽配、易久批
「2018中国BtoB行業百強榜」によれば、BtoBプラットフォームを運営する、ユニコーン(独角獣)企業(企業価値10億ドル以上の未上場ベンチャー)は、「找鋼網」「美菜網」「匯通達」「中商惠民」「康衆汽配」「易久批」の6社である。そのうち「找鋼網」は鉄鋼、「美菜網」は快消品(一般食品、日用品)の稿で紹介することにして、今回は残り4社を分析したい。
匯通達
匯通達は2010年、南京で設立された、農村商業のデジタル化を推進するサービスサイトという位置付けだ。ビッグデータ、クラウドコンピューティング、など最新の科学技術を用いて、農村商業を高度化し、産業価値の再構築を目指す。農村零細商店をチェーン化し、彼らの仕入先、販売先に対しても、デジタル化サービスを提供していく。零細小売店の組織化を目指す点は、アリババのBtoBサイト「零售通」と重なっている。そのためアリババは2018年4月、45億元(700億円)を投資して関係を深めた。売上は順調に伸び、農村の脱貧困ソリューションへの期待も高い。
http://www.htd.cn/
中商惠民
中商惠民は2013年、北京中関村で設立された、社区(コミュニティ)に向けたB2Bネット通販である。オンライン+オフライン+民生モデルのリーダー、一般食品業界のイノベーター、を任じている。創業5年で、北京、上海、東北3省、河南、河北、浙江、江蘇、福建、広州など全国23省市に展開した。サービスを提供するコミュニティの商店と事業単位は、60万に達した。30の現代型物流倉庫、1000台の配送車を所有している。経営管理、金融まで含めた商店主の負担を減らし、両者ウインウインのO2Oモデルを目指す。2019年、16億元(250億円)の融資をまとめた。これは快消品B2Bの単一融資では、最大規模。
http://www.huimin.cn/download.html
康衆汽車
康衆汽車は1995年、南京の消耗部品の販売店からスタートした。2006年、ネット通販に乗り出す。2011年、新商標「Carzone」の使用を開始した。現在、27省、220市に600以上のサービス拠点を持ち、整備・修理工場などの顧客は10万以上。自動車整備業界の最も優れたパートナー、業界におけるガソリンスタンドである、とアピールしている。
分類は、バルブ、ブレーキ、吸気、アクセサリー、点火、バッテリー、ワイパー、ライト、洗車、潤滑油、電子部品、装飾品、に分類されている。しかし日本ブランドは、AISIN、DENSOのトヨタ系2社のみ。
http://www.carzone.cn/
易久批
易久批は2014年、北京で設立された快消品のB2Bプラットフォームである。BtoBに関連する物流、倉庫、金融、チェーン運営、共同購入などの各業務を行う。当初は易酒批という名だったように、酒類をメインにスタートした。急成長に伴い、現在の酒類の販売シェアは30%に低下した。現在の従業員は1000人以上、車両は1000台以上所有している。進出した26省市の140市では、85%の商品を24時間以内に配送している。2018年には、テンセントと美団点評が2億ドルの融資を行った。2019年のGMV(一定期間の取引総額)は200億元(3100億円)を突破する見込み。
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まとめ
ユニコーン6社の業趣別は、鉄鋼1社、自動車1社、農業食品関連4社だった。食品関連の4社は、いずれも個性的なアプローチで、売上を伸ばしている。流行のニューリーテール、社区団購を支えていた。いずれもユニコーン企業らしい勢いが感じられる。各業種における注目の的ばかりだろう。今後の展開が楽しみである。