中国のペット市場最新レポート
今日は中国のメディアから「中国の犬猫ペット市場」についてのレポートをご紹介します。
生活リズムがますます速くなり、中国でもペットを飼ってストレスを解消する人が増えています。ショート動画でもペット関連のものが増えていて、いわゆる「クラウドペット飼育」をする人たちも増えています。
盛り上がりを見せる中国の犬猫ペット市場について、ご紹介したいと思います。
最近の飼い主たち
・ペットを飼うのはどのような人たちなのでしょうか。
ペット市場成長の背景には、高齢化の加速と、一人世帯の増加、消費水準の向上があります。孤独をペットで癒すシルバー世代と、ストレスをペットで癒す独身の若年層、この2つの層を中心に、加えて一部のDINKs、共働きで子供のいない夫婦たちが、今後のペット市場を牽引していくだろうと分析しています。
・続いて、市場の内訳です。
主にペットの飼育繁殖、ペットフード、ペット医療、ペットの生活サービスの4つの分野で構成されています。
・資本市場もペット産業の将来性を有望視していて、投資を受けるペット企業は、件数、投資規模ともに、急速な増加傾向にあります。なかでも、ペット美容の割合が最も高く、次にペット医療、ペット用品、ペット預かりサービスと続きます。
このほかにも、ペットの訓練、保険、写真撮影、お葬式まで、あらゆるサービスがあり、関わる業界も多岐にわたり、一大産業エコシステムが形成されています。
・統計によると、中国の都市部では、2019年のペット消費市場規模が、初めて2000億元(約3兆1千億円)を突破して2024億元(約3兆1千400億円)近くに達し、前年比18.5%の増加で、2010年から2020年の間では、年平均30.9%の高成長を維持しています。
・次に、飼い主たちの消費習慣はどうでしょうか。
消費チャネルはオンラインが中心で、ペットフードやペット用品については、50%以上の消費者がネット購入、次にペットショップ、動物病院と続きます。
このため、多くのペット用品メーカーは、デジタルマーケティングによりオンラインチャネルで顧客を獲得し、更にロイヤルユーザーを育成する、という一連の流れを形成しています。
このほか、統計によると、中国都市部での年間の平均消費金額も上昇しています。2019年にはペットに対する消費金額が前年比10.9%のアップで、飼い主たちは毎年平均5000元(約7万7千円)前後をペットに支出しているそうです。また、猫より犬の飼い主のほうが出費は大きいようです。ちなみに、中国で最近「吸猫(しーまお)」という言葉が使われているのですが、これは、飼い猫が可愛すぎるあまり、飼い主が猫の体に顔をうずめてその臭いを嗅ぐ姿から、こう言われているそうです。正に猫可愛がりの究極ですね。
・続いて、ペット市場の今後の動向ですが、主に2つあります。まず、ビッグデータの活用です。現在、ペット関連製品の生産とマーケティングでのデータ活用については、ある程度整備されていますが、ブリーディングでのデータ活用はまだ十分ではなく、品質と効率の課題を抱えているため、この分野にビッグデータを導入して問題解決を図るというものです。具体的には、「検疫機関、ブリーディング機関、収容センター、動物病院」、これらと「飼い主やボランティア」、そして「保険会社」との間でデータを共有して、ペット産業の健全な発展を図ることができるとしています。そのため、今後はこうしたデータ活用における発展の余地は非常に大きいと予測がされています。
・2つ目は、市場の多様化、細分化です。飼い主の様々なニーズに対応してサービスの細分化が進んでいます。例えば、ペットの外出サービスや託送、旅行サービスなども登場しています。ほかにも、ペット預かりサービス、ペットの社交性育成サービス、ペットモデルのマネージャーという職業まであります。今後ペットサービスは、より多様化し、豊富なものになるでしょう。
・最後に、今後のペット産業の発展が影響を及ぼす分野についてまとめています。まずは、技術革新です。研究開発力の向上と生産規模の拡大などが含まれます。次に、ペット産業のエコシステムです。ビッグデータの活用やスマート化により、クローズドチェーンが構築されます。それから、情操面の育成です。科学的根拠に基づく飼い方や、情操面に対するペットの効能などが注目されるようになるでしょう。そして、経済発展です。GDPと可処分所得の継続的な増加で、ペット業界の発展が推進される、と分析しています。