中国のBtoBプラットフォーム100強⑩一般食品、店達商城、掌上快銷、快来掌粔、百世店加
今回は中国では快消品と呼ばれるカテゴリ―を扱う。生鮮以外の一般食品や日用品を指している。零細商店の仕入れ、運営コスト改善を、セールスポイントとするプラットフォームが多い。しかし、このゾーンは、アリババ、京東、蘇寧易購などの大手が、加盟店に取り込もうと激しい囲い込み競争が繰り広げられている。実際に、どのようなサイトがあるのだろうか。店達商城、掌上快銷、快来掌粔、百世店加の4つを見ていこう。
店達商城
店達商城(上海)は2014年7月に設立された、BtoBtoCを視野に入れた、中小小売店のためのBtoBプラットフォームである。創業メンバーは、中国科学院の博士や、帰国した海外留学生から成っていた。目標は、伝統的零細小売商店(食品、日用品)の競争力とサービス能力を上げ、toC、消費者に厳選された商品を提供することだ。現在、店達商城は30都市、10万店の中小小売店をカバーし、当日の注文は翌日までに出荷している。
公式サイトは、会員登録しなければ見ることはできない。スマホ版では“多、快、好、省”のサービス理念で運営され、小売店の悩み解決こそ最優先課題、となっている。毎年3万元(45万円)のコスト削減に貢献しているという。
http://www.dd528.com/login
掌上快銷
掌上快銷は2014年8月、広州市小藍車網絡科技有限公司の立ち上げた、ワンストップBtoBプラットフォームである。目標は、中小商店主たちに、革命的な仕入れ体験をしてもらい、販売効率、運営効率のアップを実現してもらうことである。
公式サイトによると、創立以来、順調な発展を遂げ、現在では華南地区最大の経営規模を誇る。使命は、2~4線級の地方の大・中都市の中小店に、一流のワンストップサービス提供し、小売業アップステージの基礎インフラとなることだ。現在約10万店と取引関係がある。また生活総合サービス大手「美団点評」から出資を受けている。
https://www.zskuaixiao.com/index.html
快来掌粔
快来掌粔は2015年11月、上海でスタートした社区(コミュニティ)小商店用に特化した買付けサイトである。
公式サイトには、新零售(ニューリテール)StoBtoC、快消品流通のデジタル高速道路を建設するとある。現在、上海市、浙江省、江蘇省の3706コミュニティ、1000万以上の人群(グループ)をカバーしている。これを3年以内に30倍に拡大し、年間取引規模1000億元(1兆5500億円)、営業収入300億元(4600億円)を目指している。
http://www.kuailai.me/
百世店加
百世店加は2015年、杭州市で設立された百世店加科技有限公司の運営する、BtoBプラットフォームである。ビッグデータ、ソフトウェアなどのIT技術を用い、専門に特化した運営を、ワンストップで行う。目標は、商業の簡素化、O2Oビジネスモデルの標準化である。
公式サイトは、全国性の総合サービスプラットフォームと表示している。卸し、倉庫、配送、営業の一体化サービスにより、100万コンビニ店の信頼を得る。2018年までの年平均売上伸長率は99.2%の高速成長を遂げている。
https://www.dianjia.com/login
まとめ
中小小売店向け快消品BtoBプラットフォームのキーワードは、BtoBtoCまたはStoBtoC、つまり、消費動向に至るまでの情報力勝負になっていた。
また、百世店加は全国区を目指しているが、他の3社は、本拠地をしっかり押さえるドミナント戦略だ。巨大なマーケットにどう立ち向かうか、今後の戦略が問われる。さらに陣営に囲いこもうとする大手ネット通販の動きがある。ここ5年ほどで中国の零細小売店は、面目を一新するのでなないだろうか。