中国のBtoBプラットフォーム100強⑰その他ユニークな業態後編、禧雲国際、中国水泥網、海上鮮、義鳥購
今回は、BtoB百強紹介の最終回である。飲食業、セメント、金融、日用雑貨とバラバラだが、それぞれ興味深い内容を備えていた。
禧雲国際
禧雲国際は、禧雲(天津)企業管理有限公司が2018年に立ち上げた飲食業界のBtoBプラットフォームだ。飲食企業の集中仕入れ、営業、食品安全管理、人事管理と従業員教育、情報発信、金融問題等を総合的に扱う。累計6000の飲食企業、5万5000の屋台等小型店、全国31省の 大学、高校・中学、医院、企業、政府機関、空港などの給食サービスをカバーした。延べ15億人に飲食を提供し、サービス提供企業の売上げは180億元。
公式サイトには、“万億級シェアエコノミープラットフォーム”とある。競争力の源泉として、サービスを、ブランド化、集約化、安全化、職業化、情報化、データ化していく。目標は、川上、川下とともに共同発展、業界に変化を促し、新段階へと押し上げることだ。
http://www.xiyun.com.cn/
中国水泥(セメント)網
中国水泥網は、浙江中建網絡科技有限公司(杭州市)の運営するセメント業界のBtoBプラットフォームだ。1997年、国家商工局の批准を受けた、セメント業界のポータルサイト的存在だ。セメント生産・貿易企業、生産設備サプライヤー、建築設計会社等の各業界と提携しつつ、それらを繋ぐ、情報、技術、ビジネス、交流のプラットフォームである。
中国水泥網は、業界に大きな影響力を持ち、その動向は常に注目の的だ。多くの関連企業
が産品やサービスを提供し、宣伝を行う晴舞台でもある。
公式サイトは、第一世代らしい詰め込み型だ。情報、研究院、価格、指数、売買、産業サミット、節能環保(省エネ・環境保全)、智能サミット、産業ランキング、設備ランキング、技術、テーマ、と細かく分かれ、いかにもオールラウンダーである。
http://www.ccement.com/
海上鮮
海上鮮は、寧波海上鮮信息技術有限公司(2015年設立)の運営する、インターネット+漁業の総合プラットフォームだ。漁民と魚卸商、伝統的な主体の中間に立ち、サプライチェーンの労力節約に繋げる。漁民は漁獲情報を予めプラットフォームにアップしておく。水揚げ前に、互いにビジネスのアウトラインを描くことができる。
現在、海南、広西、福建、浙江、上海、江蘇、山東、遼寧、吉林等に40カ所の拠点を持ち、海上Wi-Fi通信で3万隻の漁船をカバーしている。
公式サイトは、いろいろなサービスを載せている。漁業資源ビッグデータ提供、Wi-Fi設備の提供、250万元(3900万円)の漁船を、年30万元(460万円)で貸し出す等。
http://www.haishangxian.cn/
義鳥購
義鳥購は、浙江中国小商品城集団の運営する、義鳥小商品批発(卸売り)市場の公式サイトである。義鳥小商品市場は1982年に建設された、実体のある卸売り市場だ。それも470万平米、商店数7万、従業員21万という、誰もが目を見張る規模だ。巨大卸売り市場が時代の流れに従い、オンライン化したパターンである。
公式サイトには、339万1955点、1日の増加数2万9495点とあった。(2019年12月12日)
この数量の中から、希望の商品を探し当てるのは、至難の業である。日本地区サイトもあり、こちらでイメージしてみる方が良いかも知れない。
https://en.yiwugo.com/
まとめ
かつて中国の企業では、地位は利用するものだった。工場長は、仕入れ業者からバックマージンをとり、総務担当者は、オフィスサプライを故意に高値で買うなど、例はいくらでもあった。支払いも手形はなく、条件は多種多様で、ブラックボックスだった。BtoBプラットフォームはこうした商習慣を、一気に近代化した。これこそBtoBビジネス繁栄の最大の理由だろう。ビジネス効率アップが進む中国企業を、あなどることはできないだろう。