中国のBtoBプラットフォーム100強⑬繊維業界、錦橋紡織網、百布、輔料網、鏈尚網
今回は、紡織・服装を取り上げる。いわゆる繊維業界だが、低付加価値であること、良品、不良品の境界があいまい、などデジタル化は難しいとされてきた。各社のスタイルに差があり、なかなか標準化できない。それでもBtoBプラットフォーム着実に発達している。錦橋紡織網、百布錦橋、輔料網、鏈尚網、の4つを見て行こう。
錦橋紡織網
錦橋紡織網は1999年、山東省紡織品進出口(輸出入)公司の主導により設立された。国内16省市の紡績工業を主管する部門と提携したオールチャイナでもある。現在は2013年設立の、青島錦橋電子商務有限公司が運営している。国内で最も早く稼働した、最も権威ある繊維専業BtoBプラットフォームである。目標は、情報提供サービス、取引きサービス、越境サービスの3つを結合させ、オンラインのメイドインチャイナ紡織交易システムを構築することだ。
公式サイトを見ると、サイトデザインは老舗らしく、少し旧い。商品カテゴリーは、糸、生機(きばた=染色加工前)、生地(染色加工後)、原料(紡績前の綿)紡織機械に分かれ、それぞれに大量の情報を詰め込んでいる。業界の現状と市況を理解するには最適だろう。
https://www.sinotex.cn/
百布
百布は2013年12月、広州市で設立された。目標は、紡織業の伝統的取引きモデルを改革し“億万級”のB2Bプラットフォームを構築することだ。中心メンバーは、アリババ、美団の出身である。それにプラス専門家集団も参加した。この5年間発展を続け、激烈な競争の紡織品市場で一定の地位を獲得した。現在の登録ユーザーは5000社、これまで取引きした企業は2万社を超えた。品質保証、誠心サービス、速やかな出荷を強調している。
公式サイトは、錦橋紡織網とは対照的に、都会的である。注文はスマホアプリで行う。昨年11月にはシリーズCで1億ドルの巨額融資をまとめるなど、業界注目の存在だ。
http://www.baibu.la/
輔料網
輔料網は、上海飾的網絡科技(2016年7月設立)の運営する、服装のアクセサリー、付属品のBtoBプラットフォームである。目標は、伝統的な服装アクセサリー業界を、ネットの“新思考”を用い、革新することである。前身の会社(2005年設立)以来、十数年のアクセサリーデザインのノウハウを持ち、Maxmara,Zara,H&M ,D&Gなどの欧米ブランドを手掛けた。メーカーから出発した企業である。それを自社生産分に限らず、すべてのアクセサリーの仕入れ、情報供給のプラットフォーム仕上げていく。
公式サイトを見ると、婦人アウター衣料に特化した内容だ。レース、装飾テープ、金属アクセサリーなどである。金属アクセサリーの産地、広州市と、皮革製品の産地、浙江省・桐郷に営業所を配置している。
http://www.fuliaoyi.com/products
鏈尚網
鏈尚網は、2015年5月設立の上海鏈展国際貿易有限公司の運営する、生地を中心とした服装原材料を扱うBtoBプラットフォームである。創立以来、生地のビッグデータを収集、生地製造の標準化を進め、“蜥奇取色儀”という自主研究による、10万色以上のカラーカードのデジタル化など、高度な顧客サービスを実現した。
公式サイトを見ると、検査、検品に力を入れている。さすがに生地検査は目視で行うしかないが、人工智能による検査も取り入れでいる。専業、安心、安全、公平な検査を行い、包装、物流までワンセットで行うという。
https://www.lianshang.com/cloth
まとめ
繊維業界は、感覚的な部分が多く、AI化にはそぐわない業界とみられていた。しかし、百布や鏈尚網を見ると、デジタル化は順調に進んでいる。国内縫製はコスト高により衰退していく。今後は、服装原料を、東南アジアや南アジアへのタイムリーな輸出がカギとなる。これら需要にどこまで寄り添えるかに注目したい。