Ctripで中国人観光客を惹きつけよう
中国の外国観光市場は2,880億米ドルの規模があり、世界の観光旅行の総消費額のうち4分の1近くを占めます(2018年の統計による)。さらに中国人の外国旅行客は2020年までに1億6千万人になると予想されています。このブログでは包括的なマーケティング戦略の一環として、Ctripのデジタルマーケティングにより、中国人観光客と関係を持つ方法を説明します。
目次
諸外国で中国人観光客が歓迎される理由
中国の外国観光市場は、各国の観光地や観光業にとって非常に魅力的に映ります。
その理由は以下の通りです。
– 約14億人の人口を持つ中国では中産階級が急激に増加しています。大手コンサルティング会社のマッキンゼーによると、中国人の外国旅行者数は年率15%で成長しており、市民の所得増加によってさらに伸びると見込まれています。
– 中国人観光客は海外旅行で多額の消費をしたがり、ホテル代やサービス、様々な体験、外食などにお金を多く使います。観光客の上位10%は1日に2,225米ドルを費やし、購入する商品や受けるサービスに高級感を求めています。
– 中国人観光客は特に高級レストランや都市型の旅行を好むため、諸外国の都市にとっては朗報といえます。
– 若い中国人観光客には、人にあまり知られていない小規模な観光地を見つけようとする気運が高まっています。その良さがほとんど知られていなかったり、由緒正しい地、個人旅行に適した観光地、そこでしか得られない経験ができる場所です。(SNS映えするコンテンツとして投稿・共有可能な場所ばかりです!)
では、諸外国の各企業は、Ctripを使用して中国人観光客に自社のサービスをどうマーケティングするのでしょうか?
Ctrip使用前の下準備
Ctripを利用する前に準備をします。まずは、やるべきことを確認しましょう:
–ターゲット客の定義と絞り込み(商品またはサービスが顧客のニーズに合っているか確認し、適切に作り変える/表現を直す)
–ブランドやコンテンツ(ウェブサイトを含む)を中国人観光客向けに変える
–中国人向けのチャネル戦略の構築、インターネットの旅行代理店やソーシャルメディア、他のオンラインプラットフォームを組み合わせる
欧米の旅行業者の多くは、中国のマーケティング代理店のサポートを受けながら、こういった活動を実行します。期待した成果の早期実現と良好なROI(費用対効果)を得るためです。また、生粋の中国人によるマーケティングノウハウを利用できれば、異文化における失敗や管理の遅れ、コンテンツの公開および広告における中国の厳しいルールに違反するといったリスクを避けられます。
Ctrip社の概要
Ctripは20年の実績がある中国最大のOTA(オンライン旅行代理店)です。上海拠点の同社は中国のオンライン旅行業界のシェアを65%を獲得しています。旅行サイトのTuniu&Tongchengに投資しているほか、eLong&Qunarの筆頭株主でもあります。またPricelineから投資を受け、Ctripの株式の25%はBaiduが保有しています。CtripはSky Scannerを所有しており、西欧ではTrip.com傘下のブランドとしてよく知られています。(情報提供元:Ctrip)
人々はCtripのプラットフォームを利用し、航空券やホテル、旅行サービス、各種公演などの予約ができます。旅行記セクションはインスピレーションを与えてくれたり、KOLによるコンテンツが満載です。ユーザーはここで旅の日記や思い出の瞬間を共有できます。加えて、5,000以上の多国籍企業に出張旅行のサービスを提供しています。
Ctripのユーザーの特徴
2019年の旧正月だけで、約700万人もの中国人がCtripで外国旅行の予約をしました。1日当たりのアクティブユーザーは2,000万人で、そのうちの70%の人達は月収が12,000人民元以上あります。若く流行に敏感で、向上心の旺盛な20~45歳の中産階級の人々に特に人気です。Ctripのユーザーの大半は旧式の団体旅行から離れ、航空券や宿泊施設、レストラン、各種サービスを個別に手配し、オリジナルの旅行プランを立てることに熱心な人々です。
中国人の外国観光に関するCtripの見解
中国人の外国旅行客は2018年に前年より15%増加し、1,500万人に達しました。Ctripユーザーは団体旅行客とは異なり、個別に旅行商品を予約するFIT(自由で独立した旅行者)が70%います。彼らは個人的な興味に基づいて商品を組み合わせ、目いっぱい融通がきくようにしています。
2018年の人気上位20か国には以下の国が含まれ、旅行者の多い順にタイ、日本、ベトナム、シンガポール、韓国、インドネシアとなっています。なお、中国の外国旅行者の5人に1人がCtripで予約をしています。(情報提供元:Ctrip)
各国の業者が使えるCtripの機能
中国人旅行者にアピールしたい各国の観光産業や旅行業者にとって、Ctripによるデジタルマーケティングは欠かせないものです。ビッグデータやAI、クラウドに多額の投資を行っており、大量の価値あるデータに基づいたマーケティングサービスを提供します。
ユーザーの好みや行動に関して詳細な分析や記録をするビッグデータ機能は、示唆を与えてくれます。これはターゲットを限定した効果的なマーケティングキャンペーンの企画に役立ってくれるでしょう。ほかにも、ターゲットを絞ったプッシュ広告や、主要ユーザーとなる時期やサービス購入のきっかけを予測するツールが含まれています。
Ctripで利用可能な広告手段
「ワンストップショップ」は各国の観光産業にとって価値をもたらします。ここには、ホテルやレストラン、販売店、旅行サービスにいたるまで、様々なものが取り揃えられています。多様な広告オプションが提供されているのはもちろんのこと、広告は全ての段階において目に止まるように配置されます。旅行計画のリサーチ段階から、旅行後の評価まで、次のような様々な広告タイプが提供されています。
1.バナー広告のリターゲティング表示
リターゲティング広告はプラットフォームでの購買行動にのっとり、考えうる中でベストな成果が得られるよう正確にターゲティングを行います。
2.Heroアプリ
Heroアプリと提携するCtripは、複数の属性を選択して潜在顧客を誘導します。例えば、広告主は中国人観光客のターゲティング対象に、年に1度はタイに旅行する人で、かつ1年に5つのホテルを利用する人を指定できます。
3.ブランド広告のポイント配置
検討段階にあるターゲット客に売り込みたいブランドを提示し、ごく自然で購入者に歓迎される購買ポイントを提供します。(中国人は他の外国人客のようにオンライン広告を嫌がりません。購入の意思決定を助けてくれる情報源と見なしてくれます。)
4.投稿記事との連携
Ctripアプリはインスタグラムのようなアプリとの統合プラットフォームを備え、さらに16,000か所の観光地についての150万件にのぼる投稿があるのが自慢でもあります。これにより、ブランド化されたコンテンツとアプリ内の各機能を連携することができます。例えばDiscover / Cityページの更新フィードや、キーワード検索、商品の配置などとです。
Ctripは他の広告手段も持っており、合同プロモーション、VIPクラブ内の広告、Ctrip公式のWeChatやWeiboアカウントなどもあります。