リアリティーのない中国SEOへの期待?!
中国SEO業界の人なら誰もが感じていると思うのですが、ここ数年、サイトの最適化がしにくくなってきています。しにくいというのは、ランキングだけではなく、トラフィックの獲得も難しくなっているのに、企業の経営者たちはSEOに対してリアリティーのない期待を寄せるのです。
SEOのBBSを回っているとよく見かけるのが、SEOに未来はあるか?という質問です。SEO自体には当然未来はあります。検索というアクションがあれば検索からのトラフィックがあり、そこにSEOの市場が存在します。SEOに未来があるか心配するその大多数が、多くの企業でSEO担当が現実的でないアクセス数の要求になんとか応えようと耐えているのに、安月給で雇われて、自分の上司と待遇について交渉する余裕も希望もないからです。この状況は社内SEO担当チーム(者)により顕著です。SEO対策でクライアントを啓発する機会があるのですが、身内よりも他人がありがたく思えるように、経営者たちはその言葉に耳を傾けるのですが、自社の社内SEO担当の説明は聞こうともしないのです。
だから、そのSEO担当者たちに代わってその苦労を訴えるために、以下にいくつかの「あるあるネタ」を書いてみます。もしサイトの最適化を引受けて1カ月の時点で、なぜサイトにはまだアクセスがないのかと尋ねられたら、次の「あるあるネタ」をさりげなく角が立たないように読んでもらいましょう。
リアリティーのないSEOへの期待、あるあるネタ
どうすれば素早くサイトのランキングとアクセス数をアップできるか?
この質問はしょっちゅう受けるのですが、どういうわけか、多くの人がSEOの効果はすぐに現れると思っていて、しかも、この「すぐに」というがクセモノで多くの場合1~2ヵ月なのです。
現実世界はそんなふうには動いていません。そうでなかったらみんなが次のような質問を平気でするでしょう。
どうすれば囲碁で初心者が九段になれるか?1年で足りない?なら2年あれば十分?
インドの経済力がどうすれば短期間のうちにアメリカに追いつくか?インド人以外でこのことを考える人が何人位いる?
中国のサッカーはどうすれば世界のトップレベルになれるか?一生かかってもそんな兆しすらない。
囲碁やサッカーがサイトの最適化よりもレベルが高く、比較はできないとは思わないでください。すべての事象には同じ真理があるのです。新しいサイトや小さいサイトがランクインするには大量のコンテンツが必要であり、コンテンツの作成こそが最も時間を要することなのです。将来は人工知能(AI)がコンテンツを執筆してこの問題を解決するかもしれませんが、今はまだ無理です。大型サイトでも、最適化を行ったあと、サーチエンジンに拾われるまでには数カ月あるいはもっとかかるのです。
ですから、経営者の人たちは、SEOに対して1~2ヵ月で効果が現れることを期待しないでください。少なくとも6カ月以上はとお考えください。
人手も、予算もなくてSEO?
サーチエンジンからの人為的でないアクセスはタダだけれど、SEOはタダとはいかない。
もしかしたら経営者たちは、SEO担当に給料を支払えば投資したことになり、もうそれ以外は支払う必要がないと思っているかもしれません。しかしSEOはマーケティングの一手法に過ぎす、エネルギーや予算を投入しなければならないのは、その他のマーケティングチャネルなどと同じなのです。SEOの予算を考えるときに、新聞に1年間広告を掲載したらどれくらいかかるか?テレビCM ならばどうか?展示会ならばいくらかかるのか?クーポンを配布するとしたら?と、考えてみてください。
SEOを行うには、コンテンツを準備するのにも経費がかかり、サイトのアーキテクチャを調整するにも経費がかかり、リンクを貼るのも経費がかかり、ページの最適化にも時間や労力がかかり、これらは全てお金であり、ソフトウエアを買うのにも、サービスを受けるのにもお金がかかります。これらを全てひっくるめて計算しても広告費よりもずっと安いのに、SEOにお金をかけることには見合わない感じるのです。数年前に目にした資料ですが、銀行が一人のクレジットカードの顧客を獲得するのに必要なコストは数百元だそうです。同じように一人の顧客を獲得するのに、どうしてSEOの場合は数元ならば受け入れられて、数百元なら多くの経営者は気が狂いそうになるのでしょうか?どちらも同じことではないですか?通常は、異なるマーケティングチャネルの単位あたりのコストは一点に収束していくもので、一つのチャネルのコストが低ければ、コストは高まる方向での競争が起こり、他のチャネルと同じレベルになるまでずっと引き上げられます。今のところはSEOのコストはまだ低い水準にありますが、これが上昇しつつあるのです。
これらのキーワードでランキングトップを
経営者がキーワードの研究をしたかどうかはひとまず置いといて、もし指示されたキーワードが的確であった場合に、SEOはそのキーワードをトップに、もう少しハードルを下げてトップページに表示させるようにしなければならないのでしょうか?
こんなふうに考えられます。例えば旅行業で「旅行」というキーワードでCtripやqunar.com、tuniu.com、百度旅行などとは争うべきではないのです。たとえそれが「シンガポール旅行」という難易度の少し下がるキーワードの場合でも、自分の会社がシンガポール旅行のツアーの分野で、あるいは飛行機のチケットやホテルの予約で全国10位に入っているかどうかを考えてみてほしいのです。10位内でもないのになぜこのキーワード検索ではトップ10に入らなければならないのでしょう?インターネットは公平にできているのです。そうでなければ真のトップ10がランキングに入ろうと考えるでしょうか。
知名度や売上が全国で1000位に入っていない企業が、どうして業界の検索ワードでトップ10に入らなければならないのでしょうか?自分の会社だけがSEOをしていて、その他の900あまりの企業にはSEO対策がないかというと、そうではなく、どこでもSEOは実施しているのです。結局は企業や製品の実力で勝負がついていて、SEO担当が及ぼす影響力はそれほどは大きくないのです。
新しく開設されたサイトというのは、人も通らない砂漠に開いた店のようなものなのです。もしジャック・マーが店長ならば問題はないでしょう。お金は必要なだけあり、話を盛ろうと思えばいくらでも盛ることができるので、一夜にして全国的に有名になるでしょう。しかしそうでない限り、時間や労力、予算、才能を使ってようやくプロモーションができるのです。SEOも例外ではありません。いえ、実店舗よりもさらに厳しく、人通りのない路地裏に店を開いても通りかかる人は少しはいるかもしれませんが、サイトの場合は、存在を知られなければ誰かが通りかかることがないのです。
SEOに現実的な期待を寄せるのなら、「棚からぼたもち」ということが起こらないという、世の中で最も基本的な道理をわきまえなければなりません。短期間で、簡単に、お金もかけずに、意図的でない大量のアクセスがあるなんて、そんな都合のいいことが起こるはずはないのです。
[原文]
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