中国向けホームページ制作法⑧ -訪日中国人のホームページ対策は言語対応と有名サイトとの連携が鍵か!? –
訪日対策は、旅行サイトと中国語版で対応
今年に入り、訪日中国人の百貨店での消費に復調の兆しがみられるなど、インバウンド消費が盛り上がってきています。関西国際空港での格安航空会社(LCC)の路線拡大で関西を中心に訪日中国人が増えているほか、中国の春節(旧正月)の連休が1月27日から始まっていること、中国元に対し円安が進んだことも追い風になっているようです。日本政府観光局によりますと、2016年12月の訪日中国人数は43万人、2016年累計は637万人といずれも過去最高となり、今年はさらに増える見通しです。購買意欲の旺盛な中国人が大挙して日本を訪れるとなれば、このビジネスチャンスをみすみす逃す手はありませんが、いったいホームページ制作や運営でどんな手を打てば有効なのでしょうか?ヒントは、旅行サイトや中国IT企業など大手サイトとの連携やホームページの中国語対応にありそうです。今回は中国人の訪日の背景に迫りながら、ホームページ制作や運営法について考えていきたいと思います。
百貨店各社が中国語版ページ、免税情報など提供
中国人の訪日が増え続けている一因は、旅行会社各社の格安航空券の販売と閑散期の販促キャンペーン強化でしょう。中国で昨年11月11日の「独身の日」に販売された割引航空券も使われているようです。特にこの恩恵を受けているのは首都圏よりアジアに近い関西で昨年の外国人の国際線旅客数は前年に比べ2割多い1200万人で過去最高になりました。訪日外国人の増加は経済面でもプラスに働いており、今年の関西の百貨店では高島屋大阪店、大丸梅田店、阪急梅田本店、近鉄百貨店の主要4社の免税売上高が中国人を中心に好調で、売れ筋の化粧品のほか、バッグ、サイフ、コート、時計といった高級ブランド品も伸びているといいます。訪日中国人に対して百貨店各社は、中国語版のホームページを用意。例えば、高島屋大阪店では、簡体字と繁体字のページを設け、免税品に関する情報を詳しく紹介するなど、日本語版とは異なる作りにすることで、ページを閲覧した中国語圏の人々の買い物の利便性向上に貢献しています。
サイトでスキー、着物、満員電車体験など提案
百貨店など中国の人々に知名度の高い店舗や施設は、訪日の際にダイレクトにホームページへアクセスされる“待ち”の状態であることが予想されますが、知名度の低い店舗や、その他のサービスの検索は旅行会社などが運営するサイトを経由して提案する“攻め”を行う動きが目立っています。H.I.Sは体験・レジャーの予約ができる子会社のアクティビティジャパンのサイトで今後、中国語版を立ち上げる計画です。すでに用意する繁体字のページでは、懐石料理や着物体験、スキーなど中国語圏の人々に人気のプランを多数用意。ユニークな旅行体験を紹介する楽天の子会社のボヤジンのサイトでは、中国語版のページに加え、企業の社員旅行などにプログラムを提供するサービスを始め、相撲の朝稽古見学や満員電車体験、芸者との食事の組み合わせなどを行うといいます。旅行サイトや体験型サービスを行う各社は、ホームページを通じたさまざまな体験の提案で中国の人々の日本への好奇心をかきたて消費に繋げたい考えです。
アリババが京都産品を販売、観光情報発信も
増える訪日中国人の需要換気に向けた取り組みには、中国の大手IT企業も相次いで参入しています。公益財団法人の京都文化交流コンベンションビューローと中国検索サイト最大手の百度が、百度地図(バイドゥマップ)を活用し、訪日中国人観光客を京都の店舗や観光施設へ誘導する施策の支援で連携したのは、昨年6月のことでした。今年に入ってからは、中国のECサービス最大手のアリババグループが京都府と連携し、越境ECサイト「天猫国際」で京都の産品を販売すると発表しました。購買データをもとに消費者の好みを分析するほか、商品の制作工程や文化などを伝える動画や画像などを交え、サイトで商品の魅力を伝えていく方針だそうです。また、グループの旅行サイトで観光情報も発信していく計画です。
旅行サイトやIT企業が訪日中国人に向けた日本の魅力発掘に取り組み、中国の人々の“日本の隠れた魅力を体験したいニーズ”が高まる今、日本において大きなビジネスチャンスが到来しています。訪日中国人需要を取り込むためには、旅行サイトや中国IT企業との連携を含めた、日本での¥