中国のBtoBプラットフォーム100強⑫農産品後編 宋小菜、農信互聯、聚土網、土流網
今回は、農産物BtoBの後編である。宋小菜、農信互聯、聚土網、土流網の4つを分析する。
宋小菜
宋小菜は、アリババの遺伝子が濃い。創業者は、淘宝農業、淘宝特色中国、などに携わった余玲兵である。またアリババの創業グループ“十八羅漢”の1人、呉咏銘がエンジェルランドで3000万元を投資している。2015年1月、杭州市で設立。目標は、都市の中心に大型生鮮倉庫をを配置するのではなく、社区(コミュニティ)に倉庫を置き、3キロ四方をカバーする体制の確立である。
公式サイトによれば、売り手、買い手、商品、価格、倉庫の6大データ庫を運営している。また、提携パートナーとともに、中国生鮮産業の“新生態”を建設する全面デジタル化オープンプラットフォームとある。また田畑の間から出来上がった商業モデルともいう。24時間デジタル温度管理により、廃棄ロスを0.2%に抑えている。
https://www.songxiaocai.com/home
農信互聯
農信互聯は、2003年設立の北京農信互聯科技集団の運営する、農業改革を目指すBtoBプラットフォームだ。取引、金融、保険、物流、管理、品質コントロールの6大要素を、ビッグデータ、クラウドコンピューティング等先進技術と連動させ、高い競争力を保っている。商品の認証、ブランド付与等を通じた、高付加価値商品の開発と市場投入を使命としている。そのためパートナー企業にも、高い意識と能力を求める。
公式サイトによると、牧畜市場、国家生豚市場、魚市場、禽蛋市場、農業資本市場、農産品市場、柑橘市場の5つのプラットフォームを運営している。特に有名なのは養豚である。100万の養豚業者、2000万頭の豚、3000人の獣医を擁している。
http://nx.nxin.com/
聚土網
聚土網は、2015年重慶市で設立された、農産品というより農地にフォーカスしたBtoBプラットフォームである。住環境まで含めた農業生産地全体の生産力、流動性をオンラインでマッチングする、イノベーティブな新商業モデルだ。
公式サイトには、全世界の“食物工程”にソリューションを提供するとある。そのためには、土地の集約、生産の集約、発注の集約が必要だ。聚土網はこの4年間、3億6500万畝(1畝=667平米)の土地資源を確保、1200万畝の土地を委託管理を受託、120万以上の農家にサービスを提供、契約額は5億元(78億円)にのぼる。
“土地流転”の欄を見ると、全国さまざまな規模の農地が売り、または短期貸しに出ている。農産物の直取引はなく、情報提供に絞っている。農業の構造改革を担うサイトだろう。
http://www.jutubao.com/
土流網
土流網は2009年、成都で設立された。現在は湖南省・長沙市の湖南土流信息科技集団が運営している。聚土網に先行して、農地を中心とする土地流通事業を始めた、この部門のパイオニア的存在である。
公式サイトは、農業用地、建設用地、農家家屋、競売情報、等に分かれ、全国の物件が掲載されている。さらに、耕地、林地、草地、養殖用地など用途別、桃、苺、梨、レモンなど、適した作物別にも検索できる。土地のデータ、情報、地方政府の土地行政など、情報発信も強力だ。スローガンは、「土流網に参加すれば、1年の土地収益性が直ちにわかる。」
https://www.tuliu.com/
まとめ
後編の4社も、アリババ系や、農地の生産性を取引きベースにのせるなど、バラエティーに富んだ面々であった。。農業の生産性向上のため、先端IT技術を限界まで取り入れようとしている。そして、どのプラットフォームもしっかりした理念とアプローチ手法を持っている。
中央政府の進める「新城鎮(都市)化計画」にとっても、効率的な農村の再編、効率化は、その前提である。IT企業が、社会主義農業から、収益の上がる農地開発へ、国の変革を担っている。やりがいはありそうだ。