2010~2019年の10年間を彩った中国ベストアプリ10、BAT強く、エンタメはテンセントが圧倒
ネットメディアに、アプリ界2010年代の総括記事が掲載された。中国は2016年、米国を抜き、世界最大のios市場となった、この10年、最もアップルストアで受け入れらたアプリは何か?という内容である。時代を彩ったアプリを見て行こう。
2010年代はグーグル撤退から
グーグルが中国市場からの撤退を表明したのは、2010年の1月だった。同年3月には中国検索事業を香港へ移動。当初はgoogle.cnにアクセスすると google.com.hkに転送されていた。しかしそれも同年6月には廃止され、30%の以上検索シェアを持っていたグーグルは、中国市場から姿を消した。
2010年代はグーグル撤退から幕をあけたのである。その一方、モバイルの世界は革命が進行していった。
iPhoneの米国発売は2007年である。米国以外では翌2008年のiPhone3Gが最初だった。同じ2008年、グーグルを中心にOHAという団体が組織され、Androidの開発が本格化した。スマホ時代の幕開けである。2013年末には4Gサービスがスタート、時代は加速し、モバイル決済、シェアエコノミー、フードデリバリーなど新産業が急速に浸透していった。
ダウンロード数トップ10アプリ
10年間のダウンロード数ランキングは以下の通り
1位 QQ SNS(テンセント)
2位 淘 宝 ネット通販(アリババ)
3位 Wechat SNS(テンセント)
4位 愛奇芸 動画視聴(バイドゥ)
5位 騰訊視頻 動画視聴(テンセント)
6位 支付宝 生活総合(アリババ)
7位 優 酷 動画視聴(アリババ)
8位 百 度 検索エンジン(バイドゥ)
9位 美 団 生活総合(美団点評)
10位 QQ音楽 音楽(テンセント)
美団の他はすべて、バイドゥ、アリババ、テンセントの3社系だ。これこそIT巨頭をBATと呼ぶ所以である。
最も稼いだトップ10アプリ
次はアップルストアを通じて、最も営業収入を上げたアプリのランキングである。
1位 騰訊視頻 動画視聴(テンセント)
2位 愛奇芸 動画視聴(バイドゥ)
3位 快 手 短視頻(快手科技)
4位 優 酷 動画視聴(アリババ)
5位 QQ SNS(テンセント)
6位 陌 陌 マッチング(陌陌科技)
7位 QQ音楽 音楽(テンセント)
8位 喜馬拉雅 音楽シェア(バイドゥ)
9位 QQ閲読 読書(テンセント)
10位 全民K歌 カラオケ(テンセント)
有料または課金アプリは、エンタメ系が多い。そしてテンセントは全体の半分を占めている。SNSと並んで圧倒的な強さである。
そのテンセントの前に立ちはだかってきたのは、TikTok等を運営するバイトダンスだ。しかし、大ブレイク中のTikTokは、ランキングに入っていない。まだスタート以来、実質3年しか経っていないからだ。
まとめ
QQ、淘宝、支付宝、百度を除けば、どのアプリもみなグーグル撤退後に、世に出てきたものばかりである。当初は、その間隙を埋めたといってよいのかもしれない。しかし巨大市場で鍛えられ、いずれもすぐに強靭なアプリとなった。支付宝やWechatなどのスーパーアプリは、他国には例をみない。陌陌や喜馬拉雅もユニークなアプリだ。マニアックなレベルで終わらない、成長余地の広大さが中国市場最大の強みだろう。ただし栄枯盛衰も激しい。2020年代の総括では、まったく違ったメンバーとなっているに違いない。