中国ネット企業、2019年、広告収入ランキング発表、バイトダンス+PKQに注目
中国の商業調査機関「Morketing」は、「中国22大互聯網(インターネット)公司広告収入ランキング」を発表した。広告主の判断材料であり、企業の活性度を測る、重要な指標だ。
新型肺炎の防疫体制下、中国ビジネスは宅経済化により、B2C、B2Bともにオンライン依存をさらに深めた。このランキングは日本企業の広告出稿にも、大いに参考となるはずだ。
1~10位、BATが上位
(順位 / 社名 / 2018年収入 / 2019年収入 / 伸長率)(単位、億元)1元=15.65円
1位 アリババ 1384 1745 26.1%増
2位 バイドゥ 819 781 4.6%減
3位 テンセント 581 684 17.7%増
4位 京 東 335 427 27.3%増
5位 拼多多 115 268 132.4%増
6位 新 浪 120 123 2.7%増
7位 微 博 101 108 7.0%増
8位 58同城 83 102 22.7%増
9位 捜 狐 84 85 1.0%増
10位 愛奇芸 83 93 10.9%減
11位~22位、下位企業は減収に
11位 捜 狗 67 76 12.6%増
12位 趣頭条 28 54 92.3%増
13位 唯品会 30 43 41.8%増
14位 汽車之家 31 37 19.2%増
15位 迎聚時代 8.9 15 74.8%増
16位 B 站 4.6 8.2 76.7%増
17位 斗 魚 ― 5.0 2019年7月上場
18位 虎 牙 2.2 4.0 80.9%増
19位 陌 陌 5.0 3.3 33.6%減
20位 蘑菇街 4.0 3.0 25.3%減
21位 迅 雷 1.1 2.0 44.2%減
22位 網 易 25 75
23位 バイトダンス 500~550 1500以上
網易は2019年下期から、広告とその他事業を合算したため、ランキング最下位、バイトダンスは、未上場のため推計、とある。またバイトダンスのライバル「快手」も未上場で登場していない。
アリババとバイトダンス
この推計1500億元は、アリババに次ぐ数字である。両者を比べてみよう。
2019年第4四半期、中国モバイル通販全体のMAUは、8億2400億、第3四半期に比べ、3900万増加した。地方都市で伸びている。
アリババ同四半期の営業収入は1614億5600億元、前年同期比38%伸びた。輸入、天猫超市、盒馬鮮生、銀泰などの新業態は、128%伸びている。広告収入は全体の38%を占める。地方に残る伸びしろや、新事業を有効に使った印象だ。
バイトダンスは、ニュースメディア「今日頭条」、ショート動画「抖音(海外名TikTok)」を運営、業績は絶好調である。TikTokは、世界最速ペースで成長する、収益の支えだ。広告量は増加し、広告コンテンツの作成コストは低くなり、好循環が現れている。
またバイトダンスはゲーム市場にも乗り出している。これも広告にとって優れたチャンネルになりそうだ。しかし、不安や焦りがないわけではない。TikTok以外は、成長エンジンとしていずれももの足りない。3月、創業者の張一鳴をグローバルCEOに据えるなど、人事調整を繰り返しているのはその不安からだろう。
まとめ
その他では、共同購入型ネット通販の「拼多多」、ニュースアプリ「趣頭条」が大きく広告収入を伸ばしている。これに「快手」を加えた3社を、ピンインの頭文字をとって“PKQ”と呼ぶ。
従来の巨頭BAT+バイトダンス、さらに+PKQ、中国の広告プラットフォームは、まずこの7社から考えたい。