中国で一番有名な日本人KOL?! 山下さんってどんな人?
無名のアニオタ男子、中国で“アイドル”に
「超かっこいい!」と叫ぶ女子がいるほど、中国の女性や若者などから熱い視線を注がれる日本人男性がいます。色メガネと七三分けがトレードマークのアニメオタク、山下智博さん(31)です。日本では全く無名ですが、上海の街を歩けば写真をせがまれ、感動のあまり泣き出すファンもいるほどだといいます。中国版Twitterと言われる微博(Weibo)のフォロワー数は70万人以上、中国版LINEと言われる微信(WeChat)のフォロワー数23万人以上、「ビリビリ動画」(日本で言うニコニコ動画のようなもの)をはじめ各動画サイトでは計128万人がチャンネル登録するなど、中国のアイドル的存在となっています。
女子高生“女装”を動画中継
人気の秘密は、「ビリビリ動画」をはじめ中国動画サイト12社と契約し配信している動画にあります。山下さんが厳選した日本の“オススメスポット”や生活の中に溶け込んだ日本独自の文化・習慣、日本語会話などを紹介する「绅士大概一分钟(紳士の大体一分間)」が中国の若者から支持を得ているからです。視聴者からは「中国語が上手」「更新が楽しみ」といった声が聞かれ、動画を観た95%以上の人が好感触を示しているといいます。2014年末の放映開始から12ヵ月で動画の総再生回数は約4億回に上り、中国で最も視聴数の多いエンタメ動画番組となっています。
例えば、すね毛を剃り、胸パットを入れ、プロのメイクを施しカツラ、セーラー服を身に付けて女子高生の女装に挑戦した動画(http://www.bilibili.com/video/av2480457/)は、配信1ヵ月で100万回以上再生されました。女子高生の格好をした山下さんは、路上にで通行人に振り向いてもらおうとしますが、笑われて逃げられてしまいます。番組最後には日本語コーナーがあり、日本独自のフレーズ「ウルウル」を紹介しています。
このほかにも、日本のオタク女子が通うことで有名な、アニメグッズや同人誌を扱う店舗が密集した「乙女ロード」(東京・池袋)や、オタクの聖地・秋葉原を実際に通りを歩いて中国語でライブ中継する動画、中国と日本のコンドームの価格を比較する動画など、中国の人たちが知りたくてもなかなか知れない情報を発信しています。
ピカチュウのコスプレでブレイク
そもそも山下さんとは何者なのか?と思う人も多いのではないでしょうか。そんな山下さんの出身は北海道小樽市で、大阪芸術大学芸術計画学科を卒業後、表現活動をしながら札幌の団体職員をしていましたが、中国への興味などから2012年に中国・上海に移住します。当初は中国語もしゃべれず部屋で日本のアニメを見続ける日々を過ごしていて、その時に寂しくて女性の人形を購入して「ウェイウェイ」と名付けたそうです。
その決してかわいいとは言えないウェイウェイと自身のピカチュウ、トトロ、カオナシ(千と千尋の神隠し)などのコスプレ動画を配信したところ、口コミで話題となり、動画再生回数がみるみるうちに伸び、中国で時の人となりました。そこで、中国の若者の日本文化への関心の高さに注目して2014年に始めたのが「紳士の大体一分間」です。上海大学美術学院大学院に通いながら現在まで動画配信を続けています。2015年には中国最大の動画プラットフォームが主催する弟8回Tudou Festivalで最優秀バラエティーチャンネル賞を受賞し、中国ネット動画界からも太鼓判を押されました。
目薬「ナノアイ」や北海道新得町PRも
山下さんの動画の特徴は、面白いだけでなく、動画の中でさりげなく日本製品や日本の観光スポットなどをPRしていることです。先に紹介しました女子高生の女装の動画では、路上で通行人にアピールする最中、「目力が足りない」と目薬「ナノアイ」(ロート製薬)を取りだして使用し、一滴が小粒で化粧が崩れにくい特徴を伝えています。
北海道のロケの動画(http://www.bilibili.com/video/av2733244/
)では、新得町と連携して、そば打ちや乳搾りをレポートするなどして地域特有の魅力を発信しました。動画公開後には、視聴者の訪日予備軍から42000件のアンケートを回収し、中国人観光客誘致のための対策に役立てました。サッポロドラッグストアー(本社・札幌)とは中国動画サイト向けに、山下さんが札幌市内や観光地、ドラッグストアー内で繰り広げるショートギャグドラマを撮影したほか、フェイスマスクと馬油のコラボ商品も開発しました
「中国にツテがない」でも、大丈夫!
「中国語ができない」「自社の商品やサービスをどうやってPRしたらよいのかわからない」「中国にツテがない」、そういった悩みを解決してくれるのが、中国の動画サイトで活躍する山下さんのような存在の人たちなのかも知れません。中国では、日本ではさほど目新しいものではない情報や何気ない日常の一コマが’珍しく、時には面白く感じられ、注目を浴びています。日本に関するテーマを毎回一つ取り上げた雑誌「知日」が大ヒットし、日本への観光客も増加の一途です。日本への彼らの熱い視線は一向に留まる気配はなく、今こそ日本や日本製品をPRする絶好の機会といえるでしょう。
弊社・株式会社レクサー(LXR Inc.)では、中国のSNSや動画サイトで活躍する山下さんのようなKOL(キーオピニオンリーダー)を紹介し、商品PRのサポートをするサービスを行っております。中国と10年以上のかかわりを持つ私たちが効果的なプロモーションを行い、御社の中国進出の手助けを致しますので、お気軽にご相談、ご依頼ください。
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