中国百度が50社参画の「アポロ計画」発表 自動運転へ前進！
中国で最大の検索エンジンを提供している百度（バイドゥ）は2017年7月5日、「アポロ計画」と銘打った自動運転車の開発連合をスタートしたと発表しました。
開発連合には、自動車会社のフォードモーター、ダイムラー、自動車部品製造のデルファイ、ボッシュ、IT関連のインテル、マイクロソフトなど、世界に名だたる大手企業約50社が参加しました。
世界規模のAI（人工知能）を駆使した取り組みが始まり、2020年末までの完全自動化をめざしています。
同日、北京市の国家会議センターで百度が開催したAI開発者大会でCOOの陸奇氏が「「アポロは世界最強最大の自動運転開発連合となった」と宣言したら、大きな拍手が起こっていました。
アポロ計画とは！オープンソースのねらい！
アポロ計画は、大手IT企業の百度（バイドゥ）が「アポロ（阿波羅）」と呼んでいるAI（人工知能）を使い、自動運転車をコントロールするソフトウェアの技術情報を、アポロ計画に参画する企業に公開して、それぞれの企業が担当分野で開発を進める仕組みです。
この計画では、ハードウェア、ソフトウェア、プラットフォーム、クラウド・データサービスの分野で、自動車会社、部品会社、IT関連などの参加企業を百度がサポートします。パートナー企業に、路線計画、車両制御、環境検知、車載システムなどのソースと性能を公開し、開発テストツールも提供します。
自動運転の開発には多くの企業が取り組んでいますが、技術のオープンソースは初めてのことで、百度の技術公開で自動運転の開発が加速する可能性もあります。
なお、プロジェクト名の「アポロ」は、初めて月着陸を実現させたアメリカの「アポロ計画」にちなんだものだそうです。
アポロ計画に参画した、そうそうたる企業！
『アポロ計画に参画した主な企業』
【自動車メーカー】 米フォード、独ダイムラー、第一汽車、北京汽車、長城汽車、東風汽車、奇瑞汽車、江淮汽車、長安汽車
【自動車部品製造】 米デルファイ、独コンチネンタル、独ボッシュ、独ＺＦ
【IT関連】 米エヌビディア、米インテル、米マイクロソフト、中興通訊、紫光展鋭
百度が発表した「アポロ」の参画企業名簿には、自動車メーカーでは米・独メーカーの他に、中国の大手自動車メーカーが名を連ねました。
自動運転車を作るとなると、部品メーカーの参加もカギになり、参画した独ボッシュや独コンチネンタルなどは開発した自動運転に使う部品を発表会場に展示していました。
自動運転を制御するソフトウェア、これを動かす半導体を提供するIT関連企業大手のインテルや米エヌビディアも参画します。
アポロ計画のスケジュール 「2020年に実用化」
『アポロ計画 開発スケジュール』
2017年7月 閉鎖空間での自動運転能力
2017年9月 限定した道路での自動運転能力
2017年12月 簡単な道路での自動運転能力
2018年12月 特定の高速道路と一般道での自動運転能力
2019年12月 試験版自動運転
2020年12月 完全自動運転の実現
百度が発表した開発スケジュールによると、テストコースでの自動運転からスタートし2018年末までには、特定した高速道路や一般道での自動運転を可能にして、2020年末までの完全自動運転を実現させる計画です。
世界の自動運転の取り組み
中国における自動運転の取り組みを紹介しましたが、世界の動きはどうなっているのでしょう！各国でも数年後の自動運転の実用化に向けてしのぎを削っています。
ドイツではBMWとインテルの連合が、2021年までの自動運転車市販化をめざしており、新たに米デルファイがそこに参加しました。
日本では、日産・ルノー連合が一歩先を行く感じですが、ホンダはグーグル系の企業と組み、トヨタはエヌビディアなどと提携しています。
また、韓国では官民を上げた取り組みで、世界最大級の「K-City」という自動運転用の走行実験施設が、今年の10月から運用を開始し、本格的な取り組みがスタートします。
各国の自動車メーカーが関連する企業と協力し、安全で快適な夢の自動運転車が実用化される日を楽しみにしたいと思います。
まとめ
百度のCEOの李彦宏氏が、アポロ計画の発表に先立ち、開発中の「Apollo 1.0」を搭載した自動運転車に自ら乗車して北京市内の高速道路を走行しましたが、車線変更操作で不具合が発見され「Apollo 1.0」がまだ初歩的なことが露呈しました。しかし、今回のアポロ計画のスタートで協力企業と協力しての巻き返しに期待できます。
今回のアポロ計画の発表が、世界の他の自動車メーカーに刺激となり自動運転車の開発競争がいい意味で激化して夢の自動運転車の実現が叶うことを待ちたいものです。
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